
バーゼルワールドにおいて、ブースの大きさはブランドパワーの証明でもある。世界最大のウォッチグループであるスウォッチ グループは、メインホールの中央に巨大な集合ブースを構えているのだが、その中でティソ(TISSOT)はひときわ大きく 独立した大型ブースを構えている。これは非常に好調なセールスが評価されてのことのようだ。
スイス時計で10万円台に納めるという戦略的価格帯が効いているのだろう。しかも搭載ムーブメントは同グループに属するETA社製なので、クオリティにも安心感がある。
世界経済が不安定な時代では、費用対効果も大切な指標となる。ティソはそのメリットを味方に付けたことが、現在の隆盛に繋がったのだろう。“ゴールドバリュー at シルバープライス” というのが、彼らの考え方なのだ。
さらにスタンスを変えない姿勢も好感が持てる。1853年から受け継がれる伝統とT−TOUCHに代表される先端ウォッチ。そしてMOTO GPとのコラボレーションなど、幅広く時計を作っているため必ず欲しいモデルが見つかる。スイス時計の入り口としては、悪くない選択肢だ。