
オートマタ(機械式からくり人形)の製作で比類無き才能を発揮し、ジュエリー・ウォッチの先駆者とも呼ばれるピエール - ジャケ・ドロー (1721-1790)。18世紀に活躍したこの天才時計師の名を戴くジャケ・ドロー(JAQUET DROZ)は、独自の美学を基盤として、従来の高級時計の枠組みに捕らわれない斬新で大胆な時計作りで定評がある。
そのジャケ・ドローの2012年の新作は、5つの主要コレクション全般に渡るが、今年は特に芸術系の伝統技術を受け継ぐアトリエコレクションの充実ぶりに目を見張った。
その代表作が、「プティ・ウール ミニット レリーフ ドラゴン(PETITE HEURE MINUTE RELIEF DRAGON)」。これは立体的に造形されたドラゴンが文字盤と自動巻きローターの両面にまたがって表現されたモデルであり、その緻密さと華やかさは圧巻だ。