
クリストフ・クラーレの特徴は卓越した技術力にある。なぜなら同社で最もシンプルな機構はトゥールビヨンであり、ミニッツリピーターやダブルトゥールビヨンといった複雑機構もお手のもの。現在は約20ものブランドのために、46種類の複雑ムーブメントを製作しているというから、その実力がわかるだろう。
こんな特殊時計工房が満を持して2009年に発表したのが、自身の名を冠した時計ブランド「クリストフ・クラーレ」である。記念すべき初号機「デュアルトウ(Dual Tow)」に続いて、2011年に登場したのが「アダージョ(Adagio)」だ。
クリストフ・クラーレは長らく時計業界における“縁の下の力持ち”だった。しかしこれからは自身の時計にも力を入れていくことは明白。複雑機構の歴史は、また大きく進むことになるだろう。