機能とデザインを両立させた、不変のスリー・ブリッジ
機械式時計界の
アイコン・ウォッチ
ジラール・ペルゴ ラ・エスメラルダ トゥールビヨン
東京都:BEST新宿本店、ISHIDA表参道

300年続く長い機械式時計の歴史の中には、一目で分かる象徴的な姿をほとんど変えず、綿々と作り続けられているアイコン・ウォッチが少なからずある。名門ジラール・ペルゴが2016年に発表した「ラ・エスメラルダ トゥールビヨン」は、まさにそういう1本。さらなる高機能と美しいダイヤルデザインを両立させた3本のブリッジは、スイス時計製造の高技術の証だ。


高い技術で知られる
マニュファクチュール

機械式時計が好きになると、気になる単語のひとつ「マニュファクチュール」。機械式の時計、主にそのムーブメントについて自社内で企画、開発、製造が一貫してできる“自社一貫生産メーカー”のことを指すのだが、実はスイス時計業界全体を見回してみてもその数は決して多くない。自社内ですべてをまかなうということは、独自性の高い製品を開発できる一方で、商品企画から実際の製造まですべてにおいて高い感性と技術が必要とされ、人材的にも資金的にも極めてハードルが高いからだ。1791年に創業した、時計の帝都ラ・ショー・ド・フォンに本拠を構える名門ジラール・ペルゴは、そんなマニュファクチュールの代表と呼ぶにふさわしい一社だ。創業者である時計師ジャン=フランソワ・ボットがジュネーブに設立した工房を、1856年からジラール・ペルゴとして成功を収めていた時計師コンスタン・ジラールとマリー・ペルゴが引き継いだのは1906年のこと。以来、今日に至るまで、一貫して高い美意識と確固たる技術を有するトゥルー・マニュファクチュールとして確固たる地位を築いている。


ジラール・ペルゴ ラ・エスメラルダ トゥールビヨン

ジラール・ペルゴの創業以来、最高級時計、特に複雑時計製造の第一線で活躍してきたコンスタン・ジラールは、1860 年に初のスリー・ブリッジ付きトゥールビヨン・ムーブメントを開発した。写真のポケットウォッチはパリ万国博覧会にも出展されたその最高傑作で、ケースには、当時キャリアの絶頂期にあった有名アーティスト、フリッツ・クンデルトによる彫刻が施されていた。

パリ万博を席巻した
トゥールビヨン

そんなジラール・ペルゴが、マニュファクチュールとしての名声を確立したのは1889 年のことだった。コンスタン・ジラールが考案し、1867 年にヌーシャテル天文台の精度コンクールで1位になったムーブメントを搭載するトゥールビヨン・ポケットウォッチが、パリで開催された万国博覧会で金賞を獲得したのだ。後に「ラ・エスメラルダ(ポルトガル語でエメラルドの意)」と名付けられたこのモデルのムーブメントは、部品を大胆に配置し、単なる機能部品だったトゥールビヨンにデザイン的な美しさを加えたもの。精度に影響する剛性をも高める、黄金比に則りデザインされたアロー型の3本のブリッジが象徴的で、その姿からスリー・ブリッジ・トゥールビヨンと名付けられたムーブメントの美しさは今なお他の追随を許さない。それゆえに1860年の発表時から全面的なレイアウト変更もなく、現在も製造されている最も古いムーブメントとしてスイス時計の歴史に名を残している。


ジラール・ペルゴ ラ・エスメラルダ トゥールビヨン

上の写真のポケットウォッチが、パリ万博で第1位(金賞)を受賞した際の賞状(1889 年)。有名ジュエラーでもあった時計商「 Hauser Zivy & Cie 」のパリとメキシコのブティックが「ラ・エスメラルダ」と名付け、当時のメキシコ大統領が所有していた。1970 年からは、本社のあるスイス、ラ・ショー・ド・フォンのジラール・ペルゴ ミュージアムに収蔵されている。

現代生活に合わせて
機能も向上させた

ジラール・ペルゴが2016年に発表したフラッグシップ・モデル「ラ・エスメラルダ トゥールビヨン」は、そんな由緒あるムーブメントを搭載している。同社のフラッグシップ・モデルであり、ダイヤルから見ることができるスリー・ブリッジ・トゥールビヨン・ムーブメントの象徴的な姿で、スイス時計を代表するアイコン・ウォッチとして君臨し続けてきた「スリー・ブリッジ ゴールド・トゥールビヨン」の姿はそのままに、両端のアローの表面は艶やかな鏡面仕上げが、エッジには手作業による面取り加工が丁寧に施され、より光をとらえてコントラストが映えるよう工夫された。機能的にも、自動巻きのローターを香箱の下に配置するという構造を新開発。空いたスペースを使って香箱を拡大しスプリングを長くすることに成功した結果、従来の20%アップとなる60 時間以上のパワーリザーブを実現している。


ジラール・ペルゴ ラ・エスメラルダ トゥールビヨン

直径44mmの18Kピンクゴールド製ケースに収まるスリーブリッジトゥールビヨン・ムーブメントは自社開発、製造の自動巻き。ローターをドラムの周囲ではなく香箱の下に同心円状に配置するという独創的な構造を新開発し、香箱の拡大に成功。従来の48 時間パワーリザーブに対し、60時間以上のパワーリザーブを実現している。

着ける者の品格を
上げる時計

手に取ってみると、しっとりとした重みが心地よいピンクゴールド・ケースの中から、力強い剣型針と香箱ブリッジ、輪列ブリッジ、トゥールビヨンブリッジがすぐに目に飛び込んでくる。ダイヤル面を左右に横断する3本のブリッジは、立体感と陰影による絶妙なコントラストを与えている。さらに各橋を曲線で繋ぐ精緻なギョーシェが映えるダイヤル面には、香箱と2つの地板のプレートにそれぞれダイヤル面とは異なる繊細なギョーシェが施され、時計に品格とエレガンスを与えているのが分かる。ビジネスのシーンでも、オフを楽しんでいるシーンでも、ラ・エスメラルダ・トゥールビヨンは間違いなく着ける者の品格を1ランク上げてくれる最高のパートナーになってくれるだろう。ちなみにこのモデルには、ケース全体にムーブメントのインパクトに勝るとも劣らない、力強いギョーシェ仕上げを施したモデルも存在する。光を受けて燦然と輝くピンクゴールド製の3本のブリッジと、あらゆる角度からの光を複雑に反射するケースの競演は圧巻の一言。スリー・ゴールドブリッジ・トゥールビヨンが主役のプレーンなモデルにするか、ダイヤルとケースの競演が圧倒的な存在感を演出するギョーシェ・モデルにするか。それは BEST新宿本店 または ISHIDA表参道 のジラール・ペルゴのコーナーで確かめられる。


ジラール・ペルゴ ラ・エスメラルダ トゥールビヨン

両端がアロー型の、3本のピンクゴールド製ブリッジは、上から香箱ブリッジ、輪列ブリッジ、トゥールビヨンブリッジ。アローの表面はのぞき込む顔がクッキリと映り込むほど艶やかな鏡面仕上げが、エッジには丁寧な面取り加工が、光をとらえて、ビジュアル的なコントラストがさらに映えるよう熟練職人の手仕事で施されている。


ジラール・ペルゴ ラ・エスメラルダ トゥールビヨン

ケースバックはサファイアクリスタル・バックによるシースルー仕様。ムーブメントには、シリアルナンバーが刻まれたピンクゴールド製プレートが装着されている。特筆すべきは、ケースの左右いっぱいに伸びる極太のバー。ダイヤル面の3本のブリッジと合わせ、ムーブメントに精度を約束する高剛性を与えている。ブリッジが単なるデザインではない証だ。

GIRARD-PERRGAUX LA ESMERALDA TOURBILLON

  • ジラール・ペルゴ ラ・エスメラルダ トゥールビヨン
  • ジラール・ペルゴ ラ・エスメラルダ トゥールビヨン
    ムーブメントからケーシングまですべてを、一人の熟練時計師が2カ月をかけ組み上げる。パーツの仕上げや装飾も、各分野のエキスパートの手によるという逸品だ。

    99275-52-000-BA6E
    ケース径:44.00mm
    ケース厚:14.55mm
    ケース素材:PG
    防水性:30m(3気圧)防水
    ストラップ:ハンドステッチ入りのブラックアリゲーターストラップ、18Kゴールド製フォールディングバックル
    ムーブメント:自社製自動巻き「GP09400-0004」直径36.6mm(16リーニュ)、厚さ8.41mm、毎時21,600振動(3Hz)、約60時間パワーリザーブ、27石、部品数310点
    仕様:トゥールビヨン(80パーツで組み上げられたトゥールビヨン・キャリッジは0.305 g)、時・分・トゥールビヨン上のスモールセコンド、サファイアクリスタル・ケースバック
    価格:24,541,000 円(税込)

文:中村光宏(なかむらみつひろ)
写真=江藤義典(えとうよしのり)/ジラール・ペルゴ

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※価格は2020年4月10日現在のものです。
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