日本では、おそらくラスト1本!
五感に訴える
珠玉の角形トゥールビヨン・ウォッチ
A. ランゲ&ゾーネ カバレット・トゥールビヨン
東京都:ISHIDA表参道

1845年、ドイツ・ドレスデン生まれの時計師フェルディナント・アドルフ・ランゲが設立した「A.ランゲ&ゾーネ」は、第二次世界大戦後の東ドイツによる一時国有化という苦難を乗り越え、1990年に曾孫ウォルター・ランゲとともに復活した。以来、生み出される時計1本1本に対する徹底したこだわりと、それにより持つ者の五感に心地よく訴える精緻なつくりこみで、瞬く間にドイツを代表する高級時計ブランドとなった同社の、時計史に名を残す希少な角形ウォッチが今、東京・表参道の「ISHIDA表参道」で手に入ることをご存じだろうか。


唯一無二の個性は、
手にした者にしか分からない。

ポケットからの出し入れをスムーズにおこなえるよう、かつて懐中時計といえば丸型だった。必然、そこから進化した腕時計も丸型が主流だ。でも、だからこそ、ファッションやライフスタイルが多様化した今、個性が際立つ角形ウォッチに注目してみてはいかがだろう? 


せっかく角形ウォッチを探すなら、見ても触れても他とは一線を画する唯一無二のものが欲しくなる。そしてそれほどに個性が強いにもかかわらず、末永く使えるものなら最高だ。しかし、ただでさえ数が少ない角形ゆえ、そんな要望に完璧に応えてくれるモデルはなかなかないのが現状だ――と思っていたのだが、「ISHIDA表参道」で絶版モデルながらまだ購入できる唯一無二の角形ウォッチに出合ってしまった。それが「A.ランゲ&ゾーネ」の「カバレット・トゥールビヨン」。1997年に満を持して発表された初の角形コレクション「カバレット」は、当初は3針モデルがリリースされ、2004年にムーンフェイズ搭載モデルを発表された。トゥールビヨンは、続く第3弾として2008年に発表されたのだが、数年を経て生産終了となっている。もともとブランド全体でも年間数千本しか生産しない同社の中でわずか数年しか製造されず、かつ1本をつくるのに数カ月がかかったという希少性だけでも唯一無二と呼ぶにふさわしいのだが、実はこのモデルの際立つ個性はそんなものではない。手にした者にしか分からない、見ても触れても他のどんな時計よりも強烈に、持つ者の五感に訴えかけてくるのだ。


A. ランゲ&ゾーネ カバレット・トゥールビヨン

ケースサイズは、縦39.2mm×横29.5mm×高さ10.3mm。手首が細い人が多い日本人の腕にもフィットする実用的なサイズだ。タイムレスなデザインのダイヤルと相まって、末永く愛用できる。ダイヤル素材は無垢のシルバー、針、インデックス、リュウズは18Kゴールド製。いずれも丁寧にロディウム・プレートが施されている。

流行に左右されない
絶妙なサイズ感

ポリッシュとヘアラインに仕上げ分けられたケースは縦39.2mm×横29.5mm。部品点数が373ピースにも及ぶ複雑なトゥールビヨン・ムーブメントが収まっているとは思えない小ぶりな姿は、手首の細い日本人の腕にもスッキリと収まってくれる。丸型と異なりストラップとリュウズトップまでの距離が近いので装着感も抜群だ。流行やファッションにも左右されない絶妙なサイズ感もいい。そんなケースから直線的に立ち上がるベゼルと一体感のあるタイムレスなデザインのダイヤルは、シルバーにロディウム加工を施したものだ。一方、ブランドのアイコンであるアウトサイズデイトの縁取りや控えめに配置された植字インデックス、時分のリーフ型の長短針は18Kゴールド製で、艶やかに磨き上げられている。上品な梨地ダイヤルと相まって極めて視認性が高いことは、誰でも一目で分かるだろう。驚かされるのは、時間の読み取りのために4時位置のパワーリザーブ表示、8時位置のスモールセコンド、そして6時位置の、最高の耐久性を確保するべくダイヤモンドを受け石にしているトゥールビヨン・ケージの位置だ。時分針の視認性を最大限に確保するべく、いずれもがケースサイドぎりぎりに寄せられているのだ。これは、搭載されるムーブメントがこのモデルのためだけに開発、製造されていることを表している。


A. ランゲ&ゾーネ カバレット・トゥールビヨン

1分間で一回りするトゥールビヨンは、両側から2本のバーでしっかりと固定されている。中心部の軸受けには通常使用される人工ルビーよりもはるかに高い硬度を誇るダイヤモンドを採用。高い耐久性が確保されているだけでなく、ダイヤルの表情にプラスアルファのエレガンスを与えている。インダイヤルはケースサイドのギリギリにレイアウトされている。

世界初のトゥールビヨン用
ストップセコンドを搭載

時計を裏返してケースバックを見ると、ドイツ時計の特徴である洋銀製の4分の3プレートに覆われた、四角い専用ムーブメント「キャリバー L042.1」が、サファイアクリスタル・バック越しにケースの四方に隙間無く収まっている姿を愉しむことができる。地板に刻まれたシャープなグラスヒュッテ・ストライプ模様と、トゥールビヨンと中間車の受けに丁寧に手彫りされたエングレービングの対比が美しい。時計好きには、何度見てもため息ものの光景だろう。さらにこのムーブメントには、単なるトゥールビヨンというだけではない斬新な実用機構が付加されている。それが、特許取得のトゥールビヨン用ストップセコンド機構だ。トゥールビヨンは、懐中時計の時代に時計が常に縦方向を向くことで生じてしまう歩度の狂いにつながる重力誤差を、テンプ、アンクル、ガンギ車など脱進機構全体をケージに入れ回転させてしまうことで補正し、精度を確保するべく誕生したもの。しかし、ケージは常に回っているため時間修正の際に押さえて止めることができず、せっかく時計が正確に時を刻んでも秒単位での時間修正ができないという欠点があった。その難問に対して、A.ランゲ&ゾーネは2つのアームを持つハックレバーを開発。レバーが直接テンプの回転を止めることで、機械に余計な負荷を掛けることなく秒停止を実現させたのだ。これはもちろん、世界初となるもので、時計史に残るエポックメイキングな実用技術だった。


A. ランゲ&ゾーネ カバレット・トゥールビヨン

ケースいっぱいに収められたムーブメントは、このモデルのためだけに開発、製造された「キャリバー L042.1」。復活後のA.ランゲ&ゾーネで4番目となるトゥールビヨン・ムーブメントにして、世界初となるハック機能(ストップセコンド機構)を搭載している。ツインバレルを採用し、5日間というロングパワーリザーブも魅力だ。

操作の際の感触が、
極めて硬質で心地よい。

さらに、このムーブメントには特筆すべきことがある。それは、このブランド4番目となるトゥールビヨン・ムーブメントに限らず、A.ランゲ&ゾーネのムーブメント全体に言えることなのだが、リュウズ操作の際の感触が極めて硬質で心地よいことだ。香箱を巻き上げる際のクリック感は緻密で繊細。巻き上げるのが楽しくなってしまうこと請け合いだ。時間調整で針を動かす時には、まったく遊びがなく針がスッと動き出し、瞬転式のアウトサイズデイトの日付がカシャッと変わる瞬間に手元に感じる微細な振動の心地よさも、多くの時計を知っていればいるほど驚かされるはずだ。その秘密はA.ランゲ&ゾーネのムーブメントのつくり方にある。製作は他の多くの高級時計ブランド同様、ひとりの時計師が最初から最後までを担当しているのだが、すべてのムーブメントは2度組みされている。一度組み上げたムーブメントを完全にばらし、再調整して再度組み上げるのだ。精度だけでなく、動作時の感触など心地よさなども考え、熟練の時計師が納得するレベルに引き上げられたムーブメントが、持つ者の五感に訴えかけるのは当然の帰結だ。惜しむらくは、「カバレット・トゥールビヨン」が製造中止の今、そんな至高の喜びを手にできる人はわずか1名。気になる人は、すぐにISHIDA表参道を訪ねてみてほしい。


A. ランゲ&ゾーネ カバレット・トゥールビヨン

ブランドのアイコンであるアウトサイズデイト(ビッグデイト表示)は特許取得済みの瞬転式。深夜12時になった瞬間に日付が送られるため、数時間前から少しずつ日付表示が欠けていくようなことは皆無であるばかりでなく、通常では針を戻すことができない日付変更時前後の数時間がない実用性も嬉しい。


A. ランゲ&ゾーネ カバレット・トゥールビヨン

トゥールビヨンと中間車の受けに丁寧に手彫りされたエングレービングは、熟練のエングレーバーが刻んだもの。実は各々に、我々には到底見分けられない個性があって、彼らは誰が彫ったものか分かるという。それだけをとっても、まさにアート作品なのだ。洋銀製のプレートに刻まれたシャープなグラスヒュッテ・ストライプ模様との対比も美しい。


A. ランゲ&ゾーネ カバレット・トゥールビヨン

直径わずか数ミリのゴールド製リュウズトップにも「A.ランゲ&ゾーネ」の文字が誇らしげに刻まれる。右上のボタンによりアウトサイズデイト(ビッグデイト表示)が変更できるので、日付調整も容易で実用的だ。カチリと日付のディスクが変わるA.ランゲ&ゾーネならではの精緻な感触も心地よい。


A. ランゲ&ゾーネ カバレット・トゥールビヨン

丁寧に縫い上げられたアリゲーター・ストラップに、極力ダメージを与えないようデザインされたLバックルもプラチナ製。ロックする際の感触も素晴らしく、ドイツの高級車のドア開閉時に感じるような高い剛性感を彷彿させる。

A. LANGE & SÖHNE CABARET TOURBILLON 

  • ISHIDA表参道 日本では、おそらくラスト1本!五感に訴える珠玉の角形トゥールビヨン・ウォッチ
  • ビジネスからパーティまで、日常のすべてのシーンで対応してくれるので、時計はこれ1本あれば十分! だけでなく、次の世代にも誇りを持って伝えていける時計だ。


    カバレット・トゥールビヨン
    Ref:LS7032AC
    ケース径:29.5mm×39.2mm
    ケース厚:10.25mm
    ケース素材:Pt
    防水性:日常生活防水
    ストラップ:クロコダイル、フォールディングバックル(Pt)
    ムーブメント:手巻き、Cal.L042.1、毎時21,600振動、約120時間(完全に巻き上げた状態で5日間)パワーリザーブ、47石(2石はダイヤモンド製)
    仕様:アウトサイズデイト表示、時、分、スモールセコンド、パワーリザーブ、ストラップセコンド機能付きワンミニッツトゥールビヨン、シースルーバック
    価格:24,761,000 円(税込)

ライター:中村光宏(なかむらみつひろ)氏
カメラマン:江藤義典(えとうよしのり)氏

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※価格は2020年2月17日現在のものです。
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