1950年に創設された多摩計器がオリエントの名を冠した腕時計を発売してから75年。そして「“輝ける星”と呼ばれる機械式時計を作りたい」という思いから誕生したオリエントスターは、来年の2026年でブランドデビュー75周年を迎える。この間、オリエントスターは、ダイバーズウォッチやスケルトンダイアルといった、今日の礎となる数多くの意欲作を発表するのみならず、46系ムーブメントの開発によって精度と耐久性を高め、長年にわたって顧客からの信頼を得続けてきた。
23年秋からは、主に10万円以上のモデルを中心にコレクションを再編し、新たに「Mコレクションズ」を始動。各モデルが持つデザインの方向性によってコレクションを分類する新体系は、ブランドのアイデンティティをより明確に示すこととなり、結果としてファン層を拡げることにもつながった。そしてアニバーサリーイヤーの前年となる25年、オリエントスターはこのMコレクションズから力強い新作をリリースした。それが「M34 アバンギャルド F8 スケルトン」だ。
ベースとなったのは、23年6月に発売された「アバンギャルドスケルトン」。当時発売されたのはステンレススティール製ケースにブレスレットを組み合わせたシルバーダイアルのモデルと、ケースとダイアル、ナイロン製ストラップをブラックで統一したモデルの2種類。今回新たにリリースされる2モデルは、第1弾シリーズのバリエーションという位置付けなのだが、両モデルそれぞれにカラーや仕様をアップデートすることで、M34 アバンギャルド F8 スケルトンに新鮮な魅力を加えている。
本作の特徴は、高い精度での肉抜き加工と仕上げ分けが施されたレイヤードダイアルだ。23年発表のモデルでは、2層文字板が生み出す奥行き感と精緻な加工により、現代建築を想起させるクールでソリッドな雰囲気を放っていた。しかし、新作のハイライトとなる限定バージョンは、ダイアルのデザインワークを踏襲しながらも新たにゴールドカラーを採用したことにより、第1弾モデルとは表情を一変させている。
複雑なデザインに肉抜きされ、さらに上板と下板で仕上げ分けされた2枚の文字板を重ねることで、立体的で奥行きのある表情が生まれた。上板はインデックスを支えるため、下板は落下時の衝撃や上板の変形を防ぐためのデザインで、それぞれの文字板の形状には明確な役割が与えられている。
この限定モデルではダイアルに加え、ケースとリュウズ、ベゼルに配された6本のビスもゴールド色にカラーリング。また、ストラップは前作と同様に、耐久性の高いナイロンを採用しているが、こちらもケースに合わせてサンドカラーで彩色することでデザインに統一感を持たせている。しかも、ベゼルとダイアルの下板をシルバー色とするコンビネーションカラーを採用することで時計全体が温かみのある佇まいとなり、M34 アバンギャルド F8 スケルトンが持つモダンな雰囲気は残しつつも、エレガンスが備わった全く新しいルックスへと昇華している。
本作がデザインテーマとしたのは「デザートラグジュアリー」。金色に輝く砂地に囲まれた、豊かな都市生活を表現したとアナウンスされており、たしかに、中東のリゾート地を思わせる、時の流れを感じさせる優美なルックスに仕上げている。
文字板とケースのみならず、ベゼルに用いられたビスにもゴールド色のIPが施される。シルバー色のベゼルとのコントラストにより、時計全体がエレガントでありながら温かみも感じられる雰囲気を放っている。
耐久性のあるナイロン製のストラップはサンドカラーで彩色。カジュアル感のあるストラップだが、ゴールド×シルバーのコンビネーションカラーとも好相性で、品よくまとめられている。
一方、レギュラー展開されるブラックカラーのモデルがテーマに掲げているのは「ハイプレシジョンマニュファクチュアリング」。この言葉が示すとおり、オリエントスターを擁するエプソンの高精度な時計製造技術を実感できるデザインになっている。
ケースとダイアルの造形は、第1弾にラインナップされていたブラックモデルと同様。ムーブメントと文字板との境界を感じさせないレイアウトを採用し、しかも上下2枚で構成される文字板は色調を微妙に変えるのみならず、上板には放射筋目、下板には縦筋目と仕上げ分けを行うことで立体感を強調している。このデザインワークを実現しているのは、エプソンが長年にわたって積み上げきた高度な加工技術。その凄みをダイレクトに伝えてくれるのが本作である。
上板と下板で色調に変化を持たせ、それぞれの文字板に施された仕上げの違いもはっきりと確認できるブラックバージョン。モダンかつ精悍なデザインを堪能できる。
本作が第1弾のブラックカラーモデルと異なるのは、新たにブレスレットを採用した点だ。ナイロンのストラップを組み合わせた前作は、力強くもカジュアルな雰囲気を感じさせたが、一転、オールブラックのスティール製ブレスレットに替えたことで精悍なイメージが強まり、カジュアルはもちろんのこと、スーツやジャケットなどのクリーンなスタイルでも着用しやすくなっている。
しかも特筆すべきは、そのクリエイションだ。ケースに合わせ、ブレスレットもオールブラックに彩色されているのだが、本作では1駒ごとにIP処理を施すことで、すべての駒を均一な色味に仕上げている。当然、ブレスレットを組み上げてから着色するよりも何倍もの手間がかかるのだが、この徹底したクリエイションによりケースとブレスレットに一体感のある、高級時計にふさわしい仕上がりを実現した。
ブラックバージョンはブレスレットを組み合わせたことでデザインに統一感が生まれ、精悍な雰囲気が強まった。1駒ずつIP処理を施す丁寧な製作工程を取り入れたことで、ブレスレットも、高級時計にふさわしいクオリティの高い仕上がりに。
オープンワークのダイアルからはCal.F8F64がその姿を見せ、自社製造ムーブメントの精緻な動きが観察できるのも、本作のストロングポイントだ。6時位置のスモールセコンド横にはスケルトンデザインのアクセントとなるブルーのシリコン製がんぎ車も確認できるが、これはエプソンの高精度製造技術を駆使して作られたパーツ。これにより、日差+15~-5秒の高精度に加え、60時間以上のパワーリザーブも実現するなど、実用性の高いタイムピースとなっている。
6時位置のスモールセコンド横に確認できるブルーのパーツがシリコン製がんぎ車。高精度製造技術によって製作されたこのパーツにより60時間以上のパワーリザーブを実現した。
カラーと一部の仕様が変更された新しいM34 アバンギャルド F8 スケルトンはバリエーションではあるものの、前作以上に、デザインコンセプトや時計製造に対する妥協のない姿勢が強く表れた作風になっている。M34コレクションに共通する、英雄ペルセウスをイメージしたディテールも踏襲されており、本作もまた、実に先鋭的で力強い。
Ref:RK-BZ0004B
ケース径:42.3mm
ケース厚:12.4mm
ケース素材:ステンレススティール(SUS316L)
ブレスレット:ステンレススティール(SUS316L)
防水:日常生活用強化防水(10気圧)
ムーブメント:自動巻き、Cal.F8F64、パワーリザーブ60時間以上
仕様:時・分・秒表示、パワーリザーブ表示、シースルーバック
価格:291,500円(税込)
Ref:RK-BZ0005G
ケース径:42.3mm
ケース厚:12.4mm
ケース素材:ステンレススティール(SUS316L)
ストラップ:ナイロン
防水:日常生活用強化防水(10気圧)
ムーブメント:自動巻き、Cal.F8F64、パワーリザーブ60時間以上
仕様:時・分・秒表示、パワーリザーブ表示、シースルーバック
世界限定300本(うち国内200本)
価格:297,000円(税込)
取材・文:竹石 祐三 / Report & Text:Yuzo Takeishi
写真:江藤義典 / Photos:Yoshinori Eto
全国のオリエントスター正規販売店でオリエントスターフェアを開催いたします。
「Mコレクションズ」を試着・購入いただいたお客様に、オリエントスターオリジナルノベルティをプレゼントいたします。
フェア期間は2025年3月8日(土)~2025年4月20日(日)となります。この機会に是非、お近くのお店へ足をお運びください
※フェア開催日程については店舗により異なる場合がありますので、詳細については各店舗にお問い合わせください。
オリエントスター(Orient Star) についてのお問い合わせは…
www.orient-watch.jp/contact/
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※価格は2025年3月3日現在のものです。
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