TASAKI TIMEPIECES
ジュエラーならではの美意識で、高級時計の世界に新風を吹き込む「TASAKI TIMEPIECES」。
中でもデザイナーのフィオナ・クルーガーとのコラボレーションモデルは、
その大胆な独創性で話題を集めた。新作となる「FACE OF TASAKI」は、
端正なレクタングルケースの中に個性を詰め込んだドレスウォッチとなっている。
日本を代表するジュエラー「TASAKI」が、高級時計の分野に進出したのが2015年のこと。ジュエラーとしての美意識を表現しつつ、スイスの時計メーカーと協業するなど、真摯に時計づくりに向き合っている。
フィオナ・クルーガー
スコットランド出身のデザイナー。スイス・ローザンヌ美術大学を卒業し、ファインアートとプロダクトデザインをウォッチメイキングに生かした作品を作る。
時計デザインの多くはジュエリーからインスピレーションを得たものだったが、その中で異色だったのが気鋭のデザイナー、フィオナ・クルーガーとコラボレーションしたコレクション「FIONA KRUGER : TASAKI」。彼女が手掛けた「プチ スカル」と「カオス」はどちらも前衛的なデザインを持ち、時計という概念を超越した面白さがあった。
真珠の養殖いかだは、TASAKIのモノづくりの根幹をなす存在だ。
新作「FACE OF TASAKI」もフィオナ・クルーガーがデザインした時計だ。しかしこれまでとはアプローチを変え、TASAKIの歴史や文化を紐解き、そこから創造性を発揮して時計へと落とし込んでいる。
そのインスピレーションの源となったのは、TASAKIの真珠養殖場への旅や神戸の製作アトリエの訪問など、TASAKIのルーツを巡った日本での経験だった。
フィオナ・クルーガーのスケッチブック。長方形が印象的だったようだ。
「TASAKI 銀座本店」のファサード。微妙に表現が異なる長方形を連続させている。
フィオナ・クルーガーは、まずTASAKI 銀座本店のファサードに注目した。これは建築家の乾久美子が手掛けたもので、1000種以上の長方形パネルの組み合わせで構成されている。また長方形は、海に浮かぶ真珠の養殖いかだの形にもつながる。そこで彼女は時計にもこのデザインを取り入れた。
フェイス オブ タサキ
TASAKI TIMEPIECES初のレクタングルウォッチ。ダイヤルはマザー オブ パール(M.O.P.)製で、深みのある色合いは光によって変化し、美しい表情をつくる。自動巻き、SSケース(35.6×24mm)、アップルレザーストラップ。5気圧防水。左(WAC 0122)/3,575,000円(税込)、右(WAC 0123)/3,575,000円(税込)
長方形、すなわちレクタングルケースは、時計界の定番ケースデザインのひとつ。そのルーツは20世紀初頭のパリにあり、機能性と優美さが入り混じったアールデコ様式の定番として愛されてきた。しかし彼女のデザインしたレクタングルケースはかなりシャープな造形になっており、歴史あるアールデコ様式とは一線を画する。このキレのある面を生かすためにリューズは12時位置にセットし、ケースのエッジを鏡面で仕上げてアウトラインを際立たせた。
真珠母貝を薄く仕上げてダイヤル素材に。ローター部分を丸くカットするだけでも高度な技術を要する。
ダイヤルも特徴があり、時刻表示を12時方向にオフセットし、生じたスペースに真珠を思わせる丸いモチーフを取り入れた。実はこの下にはローターがあり、腕の動きに合わせてクルクル回るようになっている。ダイヤル素材は1枚のマザー オブ パールでできており、丸の部分も同素材からくりぬいている。
その細部までこだわった表現は、まさにアート。正確に時を刻むだけでなく、眺めていても楽しい。そんな時計になっている。
4つのラグはそれぞれが動く仕組みになっており、フィット感を高める。
TASAKI TIMEPIECESの特徴は、独創的なデザインだけでなく、搭載するムーブメントにも表れる。「FACE OF TASAKI」では、スイスのLTM(LE TEMPS MANUFACTURES SA)に専用ムーブメントの開発を依頼。ケースの形に合わせてレクタングル型のムーブメントにするだけでなく、ブリッジの形も仕上げの模様もレクタングル。さらにムーブメントの表側(針がある方)にはマイクロローターを収めてダイヤル上でクルクル回るようにしている。
薄くてコンパクトな設計のキャリバーFK:μ:T001。細部まで仕上げを凝らしている。
テンプ近くに並んだ5つの穴石。機能もさることながら、美観へのこだわりにジュエラーとしての矜持を感じる。
ムーブメントの名称はキャリバーFK:μ:T001。μ(マイクロ)と名付けたのは、このムーブメントがかなりコンパクトであるからで、縦28.6×横18mm。そして厚みは2.6mmしかない。
「FACE OF TASAKI」はデザインで魅せる時計だが、ムーブメントへの探求心の深さにも驚かされる。それは時計の質はもちろんのこと、フィオナ・クルーガーの創造力を最大限生かそうというTASAKIの思いでもあるのだ。
ブリッジ上の文字は、グラフィカルにレイアウトした。
LTMにて製作されるムーブメント。丁寧な仕事だけが、美しい時計を作る方法だ。
コンセプトもデザインもムーブメントも個性的な時計となった「FACE OF TASAKI」だが、時計全体のサイズとしては、縦35.6×横24mm×厚6.2mmとかなりコンパクトでドレッシー。そのためいろいろなスタイルに取り入れやすい時計ともいえる。
洗練されたデザインは、腕元の美しいアクセントとなる。
そもそもレクタングルケースには上品で端正な雰囲気があるので、スーツやジャケットに似合うだろうし、ブラックMOPダイヤルのような際立つ個性があるモデルなら、ライダースなどのちょっとハードなアイテムとのバランスもよさそうだ。
しかもこのサイズ感なら女性の腕にもきれいに収まるので、パートナーとのシェアウォッチとして楽しんでもいいだろう。
シースルーバックなので、個性的なムーブメントを堪能できる
フィオナ・クルーガーとの新たな展開として生まれた「FACE OF TASAKI」は、際立つ個性を内包しておきながら、ディテールやムーブメントでも語れる時計となった。 ありきたりではない、革新的なものを求める愛好家に、是非とも注目して欲しい時計となっている。
バリエーション(ライトグリーン、アイボリー、トープブラウン)
取材・文 / Report & text:篠田 哲生 / Tetsuo Shinoda
写真 / Photo:江藤 義典 / Yoshinori Eto
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※価格は2024年8月14日現在のものです。
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