G-SHOCKの最高峰MR-Gを徹底比較。
遂に決着!
今買うべきは「スクエア」か? 「ラウンド」か?


 2023年に誕生40周年を迎えるG-SHOCKは、これまでに数々の傑作を生みだしてきた。しかし多くのユーザーは、初代モデルを継承する「スクエア」モデルと、時計としての魅力を高めた「ラウンド」モデルのどちらを買うべきかをいつも悩んできた。


 特にG-SHOCKの最高峰ライン「MR-G」に、スクエア型の「MRG-B5000」が誕生してからは、さらにその悩みは深まっている。


 そこで今回は、MR-Gの人気モデルであるスクエア型の「MRG-B5000B-1JR」とラウンド型の「MRG-B2000B-1A4JR」をピックアップし、様々な角度から両モデルの真価に迫りたい。


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[1:歴史]
まずは、両モデルが誕生した背景に迫ろう。


由緒正しき正統派スクエア

 G-SHOCKの原点「DW-5000C」が、スクエアデザインであったことは周知の事実であり、そのスタイルは現在もぶれることなく継承中だ。このスクエア型モデルには、機能性を高めた「5600」(1987年に初登場)もあるが、やはり「5000」の名を冠したモデルは別格扱い。“G-SHOCKのオリジンを継承する時計である”という強い意志と誇りが詰まっており、最高峰MR-Gでスクエア系モデルを出すとなれば、当然にように「5000」を冠した。


 40年間変わらないスタイルを、最新の技術で楽しむことができるというのは、新陳代謝の激しいマスプロダクトの世界では奇跡的であり、だからこそMRG-B5000B-1JRは尊い存在なのだ。


1983年にデビューした機縁すべき原点「DW-5000C」とその最高到達地点である「MRG-B5000B-1JR」。スクエア型のデザインは、こうやって継承されていく。


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時計としての価値を高めたラウンド

 ラウンド型G-SHOCKの歴史は意外と古く、1985年発売の「DW-5400」がその始まり。しかしMRG-B2000B-1A4JRの原点は、1996年に誕生した初のフルメタルウォッチである初代MR-Gの「MRG-100」となるだろう。


 壊れないメタルウォッチを作るという信念から開発され、ベゼル部分の内部に緩衝素材を組み入れることで、フルメタルモデルでありながら耐衝撃性をしっかりと確保することができた。


 その後のMR-Gは耐衝撃構造を研究開発するだけでなくデザインや素材、仕上げなども進化させることで、G-SHOCKの最高峰ラインとして地位を築いた。もちろんそこにはケースの形状も関係しただろう。ラウンド型のケースは時計の基本であるため、高級時計ユーザーにも馴染みがある。そのため高価格帯であっても納得感が高く、MRG-B2000B-1A4JRもまた最高峰のタフウォッチとして愛されているのだ。


メタル×ラウンドという新時代の幕を開いたのが、1996年の「MR-G」。当時のG-SHOCKの数倍の価格だったが、好評だったという。そのDNAが「MRG-B2000B-1A4JR」へと継承されている


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[2:デザイン]
「形状は機能に寄り添う」とはこういうこと


定番をアップデートさせた

 初代から継承されるスクエア型の「MRG-B5000B-1JR」だが、メタルケースであることだけでない進化がある。最大のポイントはケースが25個のパーツに分割されているということ。樹脂の一体形成で製作されていたスクエア型のケースは、細部を美しく磨くことは考えていないので、磨きにくい場所も存在していた。そこでケースをパーツに分割することで、MR-Gにふさわしい仕上げを細部まで行うことを可能にしたのだ。


 これまでのG-SHOCKのデザインは、タフであることを求めてきた。しかしMRG-B5000B-1JRは、美しくあるために進化した。G-SHOCKは新しいフェーズに入りつつあるようだ。


細部まで丁寧に磨き込むこと、そしてトップベゼルにより硬度の高い素材を使うこと。そのために分割パーツ構想を採用。一見しただけではわかりにくいが、そこにこだわりが隠れている。


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日本の美が詰まっている

 G-SHOCKは、世界中にファンがいる日本のグローバルブランド。だからこそ最高峰MR-Gは山形にある「プレミアムプロダクションライン」で製造しているし、デザインにも日本の美意識を取り入れる。例えばMRG-B2000B-1A4JRの場合は、インデックスには日本刀をイメージした反りを入れ、ダイヤルの外周部には扇や屏風をイメージしたカットを施している。さらに印象的な赤色は、戦国時代の武将や精鋭部隊があえて目立つ朱塗りの武具を身にまとったという「赤備え」と呼ばれる伝統をとりいれたものだ。


 “日本の時計としての誇り”をそこかしこに感じるのも、MRG-B2000B-1A4JRの魅力となっている。

金属の塊のような存在感だが、そのディテールには日本らしい美的表現が隠れている。G-SHOCKの深みを楽しむモデルである。


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[3:ショックレジスト]
耐衝撃構造は一つではない


特別なケースの新構造と新素材

 これまでのメタル系G-SHOCKは、時計モジュールを収めるインナーケースとメタルベゼルの間にファインレジン製の緩衝パーツを挟み込むのがセオリーだ。しかしMRG-B5000B-1JRは多パーツ化したのでその方法は使えず、新しい耐衝撃機構を考案した。「マルチガードストラクチャー」と命名された構造の特徴は、ケース四隅にありTバーとシリコン製の緩衝パーツを組み合わせてショックアブソーバーとしている。


 また素材も特別で、ベゼルのトップ部分は純チタンの約4倍の硬度を持つコバルトクロム合金「COBARION®」でバンドは固いが加工性にも優れる「DAT55G」そしてケース品胎や裏蓋などには「64チタン」を使用。構造だけでなく素材でもタフさを高めている。


かつては一体成型だったベゼルは、ここまで細かい構造になった。


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時計らしさのための耐衝撃構造

 近年のG-SHOCKは、アナログモデルが増えており、“時計らしいデザイン”にも強いこだわりを持っている。しかしこれは耐衝撃構造にとっては、諸刃の剣でもある。時計内部と直接コンタクトするリューズやプッシュボタンが弱点になってしまうのだ。そこでMRG-B2000B-1A4JRでは、ケースサイドに凹凸を作ってプッシュボタンやリューズを守るガードパーツを作り、さらにリューズユニットの中にαゲル製の耐衝撃パーツを組み込むことで、さらにタフさを高めている。


 ちなみに落下衝撃でアナログ針が外れてしまわないように、針の素材には非常に軽いカーボンを使用しているのも特徴。時計らしいデザインのために、様々な方向から耐衝撃性能を高めているのだ。


強固なケースだけでなく、時計の進化の過程で生じた新たな“弱点”のために、新しい耐衝撃構造を開発する。それがG-SHOCKの正常進化だ。


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[4:フィッティング]
サイズが印象を大きく左右する


小ぶりなサイズが好バランス

 1983年に誕生した際には「大きすぎる」との批判もあったという初代G-SHOCK「DW-5000C」だが、今となっては小ぶりな時計という印象だ。その流れを汲むMRG-B5000B-1JRは、縦49.4×横43.2mmというサイズは、現在の5000シリーズで最もシンプルな「GW-5000」とほぼ同じ。そして12.9mmというケースの厚みは、高級スポーツウォッチと照らし合わせても薄い方だ。そのためシャツの袖口とも干渉しにくく、フィット感も良い。これ見よがしでは佇まいも、好感が持てる。


高級感があるので、きれいなコートやジャケットにもしっくり馴染むだろう。


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アクセサリー感覚で楽しみたい大型モデル

 G-SHOCKが世界的に人気を集めた理由の一つが、大型でカラフルなケースをアクセサリーとして楽しめることだった。それまでの腕時計はあくまでも実用品であったが、G-SHOCKが“時計で遊ぶ”というカルチャーを作ったのだ。MRG-B2000B-1A4JRの大きなケースとブラック×レッドの精悍な配色もまた、腕元にアクセントを作るアクセサリーだ。そのため薄手のニットなどカジュアルなスタイルと合わせて使うのが正解だろう。


シャツだと袖口と干渉し、厚いニットだと重たくなりすぎる。時計の存在感を生かしたファッションで楽しみたい。



[5:スタイル]
オンの時計か? オフの時計か?


洗練を楽しむ正統派

 スクエア型のG-SHOCKは、やはり揺るぎない正統派である。特に2023年が誕生40周年というアニバーサリーであることを考えると、スクエアモデルに対する注目や熱気はさらに高まることだろう。


 しかもMRG-B5000B-1JRは、初代モデルの世界観を現代的にアップデートしており、スマートフォンと連動することで現在地の時刻を正確に表示し、アラームやワールドタイムの操作などもできるため、利便性も高い。極めて洗練されたG-SHOCKであり、オンスタイルの時計をしても楽しめるだろう。


MRG-B5000B-1JR 462,000円


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G-SHOCKの正常進化

 G-SHOCKはライフスタイルツールであり、高性能な時計でもある。タフであることは当然として、最高峰のMR-Gであれば日本の美意識が詰まった造形美や細部の仕上げ、高精度機能、そして大胆な存在感も含めて楽しみたいところだ。


 MRG-B2000B-1A4JRは、G-SHOCKが40年間かけて積み上げてきた様々な技術やデザインの集大成といえる。世界6局に対応する標準電波受信機能を備え、スマートフォンとも連動し、そしてアナログ式なので視認性も高い。まさに“時計としての価値”を高めたラウンド型のG-SHOCKであり、充実の休日を過ごすことができる。


MRG-B2000B-1A4JR 330,000円


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取材・文 / text:篠田 哲生 / Tetsuo Shinoda
写真 / Photos:江藤 義典 / Yoshinori Eto



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