MRG-B5000が、
真のラグジュアリースポーツウォッチである理由。

受け継がれるスタイルがある

ブラックDLC処理の外装パーツの中に、深いブルーの色が映える。この色は心を癒し、整える力があるといわれる色「青墨（あおずみ）」をモチーフとし、このモデルのデザインコンセプトとなっている。

　70年代に生まれたラグジュアリースポーツウォッチには、一つの確立したスタイルがある。例えばケースのデザインは平面を生かしたシャープな造形で、8角形や10角形のベゼルで個性を作る。そしてケースとブレスレットが一体化するように設計され、力強さの中にも美しさを内包するのだ。

　このラグジュアリースポーツウォッチのスタイルは40年以上経た現在でも、ほとんど変わっていない。時計業界では様々なトレンドが生まれ、ブランド側も小さな進化を重ねてきたが、ラグジュアリースポーツウォッチだけは変わらない。それだけ完成されたスタイルなのだ。

「MRG-B5000」にも、そういった一面がある。この時計のルーツは、1983年に生まれた初代G-SHOCKのDW-5000。世界を席巻した角形ケースや8角形のフラットなベゼル、液晶表示などは、一貫性をもって39年にわたって継承されている。しかも耐衝撃性能という誕生当初からのコンセプトも不変である。

「MRG-B5000」は一見すると、これまでの角形G-SHOCKとさほど違いはないと思える。しかしこれこそが伝統の力。受け継がれるスタイルが、伝説の始まりとなる。

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高品位の素材を使用する

ベゼルとケース、ブレスレットは、全て異なるチタン素材を使用しているが、DLC処理を施しているので統一感がある。ヘアラインは場所に合わせて縦線や横線で仕上げ分けている。

　ラグジュアリースポーツウォッチが生まれたのは、イタリア市場からの「画期的なステンレススティールウォッチが欲しい」というオーダーからだった。ステンレススティールはゴールドよりも硬い素材なので、キレのあるエッジを生かしたデザインが可能になる。ラグジュアリースポーツウォッチのデザイン的な特徴や魅力は、素材の特性を生かしたところにあったのだ。

「MRG-B5000」では、3つの特殊なチタン素材を使っている。トップベゼルの部分には、チタン、コバルト、クロム、モリブデンを加えた「コバリオン」を使用。純チタンの約4倍の硬度を持ち、美しいポリッシュ仕上げとプラチナのような輝きが生まれる。

　 ケース部分の素材は、チタンに6％のアルミニウムと4％のバナジウムを加え、純チタンの約2倍の強度がある「64チタン」を採用。そして傷つきやすいブレスレットには、純チタンの約3倍の高度を持つ「DAT55G チタニウム」を採用している。しかもこれらの素材に、ダイヤモンドと同等の硬さを持つ被膜を作るＤＬＣ処理を施しており、精悍さが増している。

　 こういった高品位の素材を上手に使うことで、タフなG-SHOCKの中に、“ラグジュアリーさ”を加えるのだ。

細部への丁寧な仕上げがある

ブレスレット部分には異なる磨きの仕上げで、ヘリの部分にはヘアライン仕上げを施した。黒い世界の中で、ブルーがひときわ目立つ。

　ラグジュアリースポーツウォッチは、平面を生かしながらも立体感を出すため、ケースの仕上げに徹底的にこだわった。1970年代初頭は切削や研磨などの仕上げを硬い素材に行うことができなかったため、仕上げ技術を新たに開発して製造に臨んだという。しかしそういった仕上げのこだわりが、高級感へと結び付くのだ。

「MRG-B5000」も同様に、細部の磨きと仕上げにこだわっている。

　 そもそも角形G-SHOCKは一体型の樹脂製ベゼルでインナーケースをくるむように設計しているので、その形状をそのままメタル化した場合、磨くことができない場所がある。そこでケースを25のパーツに分け、個々にザラツ研磨という下地処理を行うことで、これまでとは比較にならないほど、細部まで美しい仕上げを施しているのだ。

　 そしてケースが分割パーツになったことを受けて、「マルチ ガード ストラクチャー」という新しい耐衝撃構造を考案。これはケース4隅にT字型のパーツを配置し、板バネを使ってトップベゼルを下から持ち上げて支える仕組みで、トップベゼルへの衝撃を4つのばねで力を吸収する。

　 美しい仕上げを実現させるために、構造から新たに開発する。「MRG-B5000」はそれくらい贅沢な時計なのである。

ベゼルのトップはポリッシュ仕上げになっているが、これは素材のコバリオンの光沢感を生かしたものだ。

バックル部分は64チタン。平面にはシャープなヘアライン仕上げを施し、斜面はポリッシュ仕上げ。このひと手間で美しい立体感を作る。

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オン、オフを問わない汎用性がある

ネイビーのスーツはリネン混の生地なので清涼感がある。そこにバンドカラーのシャツを合わせて、ほどよくリラックス感のあるノータイスタイルが完成。本格時計ではちょっと重たくなりがち腕元も、「MRG-B5000」ならバランスよく軽やかにまとまる。

　ラグジュアリースポーツウォッチが人気を集める理由の一つに、汎用性の高さがある。優れた防水性やがっちりとしたケース&ブレスレットといったスポーティな要素は、オフのスタイルに間違いなく似合うのだが、その一方で薄型のケースや美しい磨きによって引き出された高級感のおかげで、ジャケパンやノータイスタイルなどビジネスカジュアルにも似合う。

　 このオンオフを問わないラグジュアリースポーツウォッチの魅力は、すなわち「MRG-B5000」の魅力でもある。

　 G-SHOCKのスポーティな実力は誰もが知るところだが、「MRG-B5000」はオンのシーンでも活躍してくれる。メンズファッションにおいて最も重要なのはサイズ感だが、「MRG-B5000」の43.2㎜というケース幅は、シャツの袖口とのバランスという点では十分に許容範囲。12.9㎜という厚みも袖口と干渉にしにくい。さらに角形G-SHOCKが持つレトロクラシックな雰囲気も、オンのスタイルと相性が良い。

　 新作である「MRG-B5000BA-1JR」は、ブラックDLC処理のケース&ブレスレットにIP処理や蒸着処理で引き出した鮮やかなブルーを組み合わせることで、静かなる強さを表現した「青墨（あおずみ）」という配色を用いており、これがビジネススタイルにすんなり馴染む。カジュアルのイメージが強いG-SHOCKだが、ラグジュアリーなMRG-B5000なら、ビジネスファッションのハズシとしても効果的なのである。

だから「MRG-B5000」は、
ラグジュアリースポーツウォッチなのだ。

「MRG-B5000」は、高級時計をよく知る愛好家たちからの評価が高い。それはこの時計が持っているスポーツウォッチとしての実力と、高度なモノ作りから生まれたラグジュアリーな個性の両方を感じ取っているからだろう。

　1983年に生まれた初代G-SHOCKは、ライフスタイルツールとして時代を超えて受け継がれてきた。そして最高峰MR-Gの名に恥じない素材や仕上げを採り入れた「MRG-B5000」は、ついにラグジュアリースポーツウォッチへと昇華したのだ。

取材・文 / text：篠田 哲生 / Tetsuo Shinoda
写真 / Photos：江藤 義典 / Yoshinori Eto