GREUBEL FORSEY | グルーベル・フォルセイ 2025新作 グルーベル・フォルセイ「ナノ・フドロワイアント」

　2025年の新作としてグルーベル・フォルセイが、「ナノ・フドロワイアント」で初となる公式限定モデルを発表しました。長年の研究の成果が生んだ画期的なタイムピースは、EWT（Experimental Watch Technology ＝ 実験的時計技術）の原点を超えて、成熟した姿を披露します。22本限定製造のこのタイムピースが、グルーベル・フォルセイの第10番目の“基本発明”として、メゾンの歴史に新たな1ページを刻みます。

プロトタイプからタイムピースへ

　2024年に、EWT記念モデルとして発表されたナノ・フドロワイアントは、グルーベル・フォルセイにとってこれまでになく技術的に先鋭なコンセプトを具現したものでした。今日、そのタイムピースは、記念モデルやプロトタイプという枠組みに縛られることなく、ひとつの独立したクリエーションとして進化したのです。

　新しいナノ・フドロワイアントのケースは、ホワイトゴールドとタンタルを組み合わせたオリジナルモデルとは異なリ、すべてがホワイトゴールドで作られています。そこには構造面で異なるアイデンティティを見て取ることができます。ロジウム仕上げを施したゴールドの文字盤にブルーのミニッツトラックを組み合わせ、針は筒カナに合うよう、ブルースティールで仕上げています。また、フドロワイアントの白い文字盤に転写による数字を合わせることで、視認性を高めながら、トゥールビヨンの小窓の鮮明なデザインとの調和を生み出しています。そしてテキスチャード加工を施したブルーのラバーストラップが全体を引き締めます。そこにオリジナルモデルからの明確な進化と、このタイムピースの際立つ個性の表明を読み取ることができるでしょう。

ナノメカニクス：可能の領域をさらに広げる

　タイムピースの核心に、ある斬新なアイディアがあリます。それがナノメカニクス。機械式ムーブメントの内部で、ナノジュール単位で行われるエネルギー制御です。常識を打ち崩すこのメカニクスにより、ナノ・フドロワイアントで使用されるエネルギーは、1ジャンプにつき16ナノジュール。伝統的な設計では30マイクロジュールであるため、1,800分の1までエネルギー消費を抑えるという驚異的な偉業を成し遂げました。この複雑機構は、3Hzのテンプの振動によって1秒間に1回転する、赤く処理された軽い針を用いて、各秒を6つのセグメントに分割しています。このモデルには従来の歯車機構は採用されていません。その代わりに低慣性の一連の歯車がムーブメントを通じてエネルギーを効率的に分散しています。

コンパクトで洗練された仕様

　ナノ・フドロワイアントのメカニズムは、グルーベル・フォルセイ初のフライングトゥールビヨンの中に組み込まれ、視覚的にも技術的にもこのタイムピースの中心的存在となっています。フドロワイアントダイヤルは、トゥールビヨンが回転しても常に12時方向に向いており、最高の視認性が確保されています。

　このタイムピースは、2つの特許を持つ手巻きフライバックを搭載し、428個の部品（うち142個はトゥールビヨンケージ）で構成されています。このような複雑性にもかかわらず、ムーブメントの直径はわずか31.6mm。それが37.9mmのホワイトゴールド製ケースの中に収められています。これはグルーベル・フォルセイが実現したモデルの中で最も小さなものです。

　ケースにはドーム型のサファイアクリスタルをセットし、ケースバンドにはストレートグレイン仕上げ、そしてシースルーのケースバックを合わせています。“Nano Foudroyante”と“Greubel Forsey”の繊細なエングレービングが、手作業によるハンマー仕上げの背景に、立体的に磨き上げられた姿で際立ちます。

新しい1章、完成されたタイムピース

　成熟と意図を具現したこのタイムピースは、エネルギー効率が最も高く、小型で、最も高度なコンセプトにより実現したグルーベル・フォルセイを体感したい22人のコレクターのために生まれました。