World-Class Super Three-dimension Skeleton Watch |  超立体スケルトンを生んだふたりのマイスター

超立体スケルトンを生んだふたりのマイスター

  桜田守氏と照井清氏。このふたりの名工が、持てる力量を遺憾なく発揮して生み出すモデルが、「Cal.NB99」を用いた極薄スケルトンである。


  このモデルの特徴は、エレガンスを極めた極薄ムーブメントに施された立体的にして流麗なエングレービング(彫金)。しかし、これを実現するのは容易ではない。なにしろ地板やブリッジの厚さは、わずか0.25〜0.6mm。不用意に刃を立てると変形するだけでなく、刃が裏側に突き抜けてしまうほどだという。


「これを防ぐため、私は工作機械に使う超硬素材でバイトを製作し、刃先を鈍角にして浅く彫っても模様がはっきりと出るよう心がけています」(照井氏)


  2002年に「現代の名工」を当時の史上最年少で受賞した照井氏の彫金技術は独学で習得したもの。それだけに照井氏は西欧の真似ではなく、日本的な文様をモチーフとする独自性に溢れたスタイルを確立したのである。


  一方、組み立てを担当する桜田氏にも同様の苦悩がある。やはり地板やブリッジがあまりにも薄いため、組み立て時にネジをやや強く締め込んだだけで変型し、テンプが止まってしまうほどだということ。


「これが薄型の難しいところ。ケース入れの際もネジ込みの負荷がかかると歪みますし、ブリッジを上からちょっと触っただけで止まることさえある。そこで目視と感覚で100分の1の差を感じて調整をするのです。そうやって調整しつつムーブメントをひとつ組むのにおよそ3時間半。外装の組み付けでも3時間はかかります」(桜田氏)


  世界的にも極めてレアな存在であるハンドエングレービングが施された極薄型スケルトン・ウォッチ。これを現実のものとする桜田氏と照井氏の卓越した技術を駆使し、2013年、新たな傑作が誕生した。それがTerui & Sakurada Shizukuishiの「 RS-1」である。