SIHH2018 PARMIGIANI FLEURIER New Model2018年 パルミジャーニ・フルリエ新作　ブガッティ タイプ 390

　 2004年、イタリアを出自とする伝説のスーパーカー・メーカー、ブガッティとのコラボレーションをスタートしたパルミジャーニ・フルリエ。その初号モデルは通常、垂直方向に設計される時計の輪列構造を水平に変換した「ブガッティ タイプ 370」であった。その後2010年の「ブガッティ スーパー スポーツ」の他、2012年に「ブガッティ ヴィテッセ」等を発表し、常に世界に冠たるスーパースポーツカーとの連携を深めてきた。

　 そして本年2018年のSIHHに先行する形で前年秋に登場したのが、新作「ブガッティ タイプ 390」である。このモデルは1500馬力を発生するクワッド・ターボW16エンジンを搭載する最新のハイパフォーマンスカー、“ブガッティ シロン”へのトリビュート・モデルであり、パルミジャーニ・フルリエの設計・技術陣は“シロン”の外装部と内装部を徹底的に研究することで、その機能的特質を腕時計に登用し、まさに“手首に装着するエンジン”として我々の眼の前に提示した。

　 機能面ではフライング・トゥールビヨンとパワーリザーブ機能搭載モデルだが、円筒式手巻きムーブメントCal.PF390と12°の関節可動ケースが最大の特徴と言える。

　 特許取得済みの手巻きムーブメントCal.PF390は、直列に配置されたツインバレルにより約80時間のパワーリザーブを装備。このツインバレルはブガッティのサドルタンクを模したものだ。シリンダーに収納されたムーブメントは、ケース12時側上端部に設置されており、動力をダイアルへ伝達するためには1度90°角で伝達方向を変える必要がある（サイドから見た場合）。そのため採用されたのがウォームスクリューである。さらに当ムーブメントはモジュール構造のため、あたかもハイパフォーマンスカーの点検時にエンジン自体を車体から下ろすように、ムーブメントをケース本体から取り外すことを可能にした。

　 また60秒トゥールビヨンは、シリンダー左端（時計では11時の位置）に外側を向く形で設置されるが、ムーブメントはトゥールビヨンの調速機構の直径を上回らないようにスリム設計されている。水平設計・設置されたムーブメント（エンジン）が、ウォームスクリューによって90°の動力伝達方向を1度修正し、ダイアル表示計（インテリア）へ接続する方式は、“シロン”の車体構造にインスピレーションを得たものである。

　 またパルミジャーニ・フルリエのマニュファクチュール部門のひとつである、レ・アルティザン・ボアティエ社製造によるケースは、より手首にフィットするように12°関節可動する構造（特許出願中）を持つ。さらにゴールド製のスリーブレード式フォールディング・バックルを備えるアリゲーター・ストラップは、エルメス社製でその署名がストラップに記されている。

　 なお、当モデルは18Kローズゴールドと18Kホワイトゴールドの2種類のケースが用意され、各10本の世界限定で発売される。