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BASEL WORLD 20172017 BASEL WORLD 新作 レポート バーゼル定点観測23年。その輝きと存在感は今も健在!

BASEL WORLD 時を巡る旅 2017

2017 BASEL WORLD REPORT
バーゼル定点観測23年
その輝きと存在感は今も健在!

 毎年春(3~4月)にスイス・バーゼル市で開催される世界最大級の時計宝飾見本市「バーゼルワールド(BASEL WORLD)」。2017年は3月23日から30日に開催されたが、この取材を開始してから、早いもので今年で23年目を迎えた。


 つまり、この23年間、我々は「バーゼルワールド」という見本市を中心として、スイス時計(とそれを取り巻く時計業界)の定点観測を続けてきたことになる。その立場から言うと、現在の時計業界はなかなか厳しい状況にある。


 事実、バーゼルワールド事務局が3月20日に発表したリリースによれば、2017年の来場者は10万人は越えたものの、2016年と比べマイナス4%とのこと。出展ブランドも200ほど減り、昨年までメインホール外に設置され、独立系ブランドを集めた「THE PALACE(ザ・パレス)」という特設テントが消え、メインホール3階に「LES ATELLIERS(レ・ザトリエ=工房という意味の仏語)」というスペースが設けられ、50以上の独立系ブランドが出展した。


 意地の悪い見方をすれば、メインホールの出展ブランドが減ったため、独立系ブランドを収容するスペースが生まれたことになるが、時計ファンには嬉しいニュースだ。


 このように需要が伸び悩む市場の動きに呼応し、各社から発表される新作の価格が微妙にリーズナブルになってきた印象があるが、これも時計ファンには朗報だろう。


 またトレンドとしてはスポーツ系ウォッチの充実がある。オメガの「スピードマスター」初代モデルの発表は1957年であり、今年で誕生60周年。同年、オメガは本格ダイバーズ・ウォッチ「シーマスター300」、鉄道時計「レイルマスター」という “トリロジー(三部作)” を発表したが、これらの歴史的モデルも一挙に復刻した。


 そしてロンジンの「フラッグシップ」も60周年。ブライトリングのダイバーズ・ウォッチ「スーパーオーシャン」も60周年。世界初の電池式腕時計であるハミルトンの「ベンチュラ」も60周年と、“1957年” が時計界にとって極めて重要であったことを再認識した。


 このような周年記念モデルを含め、ヴィンテージ・ルックの復刻モデルが多数発表されたのも2017年のトレンドだ。


 一方、新体制で時計界に存在感を誇示しようという動きも顕著である。


 日本を誇る高級時計ブランド「グランドセイコー(GS)」は、セイコーのいちブランドという位置づけから脱却し、自由なポジションで製品開発を推進するという。


 さらに、もうひとつの国産時計メーカーである「シチズン」は、「ブローバ」、「アーノルド&サン」、「フレデリック・コンスタント」などの海外ブランドを傘下に収めてグローバル戦略を展開。バーゼルでは各ブランド独自のブースの他、傘下ブランドを集めた特別ブース「シチズン パビリオン」を設け、国の枠を超えたグループ体制の確立をアピールした。


 このように見ると、低調といわれる時計市場も、決して現状に甘んじているわけではないことがわかる。しかも、一時は若者の時計離れが心配されたが、最近ではリーズナブルなアナログ・クォーツ・ウォッチが人気で、若者(とくに女性)の間で腕時計を楽しむことがトレンドになってもいる。


 我々が23年前に始めたスイス現地取材。そのひとつの柱であるバーゼルの時計宝飾見本市は、まだまだその輝きと存在感を失ってはいないのだ。


総論:名畑政治 / Text:Masaharu Nabata
写真:江藤義典 / Photos:Yoshinori Eto


2017バーゼルワールド
取材・文:名畑政治、田中克幸、篠田哲生、竹石祐三 / Report&Text:Masaharu Nabata、Katsuyuki Tanaka、Tetsuo Shinoda、Yuzo Takeishi
写真:堀内僚太郎、江藤義典 / Photos:Ryotaro Horiuchi、Yoshinori Eto



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2017 New model flashreport2017年 新作情報一覧

BASEL WORLD 2017 information2017年BASEL WORLD 取材詳細

BASEL WORLD(バーゼル・ワールド)2017 詳細

開催期間 : 
2017年3月23日(木)~3月30日(木)

出展ブランド : 
ロレックス(ROLEX)、ブルガリ(BVLGARI)、ブライトリング(BREITLING)、カール F. ブヘラ(CARL F. BUCHERER)、シチズン(CITIZEN)、ラドー(RADO)オメガ(OMEGA)、アルピナ(ALPINA)、フレデリック・コンスタント(FREDEROQUE CONSTANT)、ハミルトン(HAMILTON)、メカニケ・ヴェローチ(MECCANICHE VELOCI)、エドックス(EDOX)、ブレゲ(Breguet)など



BASEL WORLD(バーゼルワールド、バーゼル・フェア)とは?
スイスで開催されるこのBASEL WORLD(バーゼルワールド、バーゼル・フェア)という祭典では、毎年世界のウォッチブランドが一同に集結して、新作発表がおこなわれています。バーゼルワールドは世界最大級の規模を誇り、時計だけではなく宝飾やジュエリーなどの展示もおこなうワールドメッセです。また、このバーゼルワールドはSIHHと違い、一般客も入場できるオープンな会場となっています。
多数のウォッチブランドが、この日の新作発表の場にそなえて、向こう一年の社運をかけた渾身のニューウォッチを携えてやってくるこの祭典は、腕時計ファンには見逃せない内容となっています!
Gressiveでは毎年スイスへ赴き、バーゼルワールド(BASEL WORLD、通称バーゼルフェア)の会場から、新作ウォッチの情報をどこよりも早く配信しています。

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