現代に出現したヴィンテージ時計。この魅力から目の肥えたコレクターの熱い支持を得てきたクロノスイス(CHRONOSWISS)。
2012年発表の経営権の譲渡は、時計界を驚かせた出来事だった。しかし、新たな最高経営責任者であるオリバー・エブシュタイン氏の「クロノスイスの遺伝子を受け継ぐ」という姿勢に安堵した長年のファンも多かったはずだ。その言葉は、本年(2017年)バーゼルワールドでの新作群がすべて「レギュレーター」モデルに特化されていることからも明らかである。
かつて時計師が、最終時刻調整用の標準時計として使用したレギュレーター。これを規範とした、初の量産型手巻き式腕時計をクロノスイスが発表したのは1987年のこと。以来、当モデルは同社を代表するコレクションとして成長すると共に、レギュレーターという時計の存在と魅力を愛好家に広めた役割も大きかったと言える。
シリウス(Sirius)コレクションに統括される今回の新作は、時・分・秒が各々独立する表示方法は堅持する一方、インダイアルの形状や大きさ、メインダイアルのスケルトナイズなど様々なバリエーションを持ちつつ、全体的にモダンな仕上がりになっているのが特徴だ。
「シリウス フライング・グランドレギュレーター(Sirius Flying Grand Regulator)」は、1994年に発表されたケース径44mmの大型モデルの遺伝子を引き継ぐもので、スケルトン・バージョンの他、小ぶりのケース径である「シリウス フライング・レギュレーター マニュファクチュール(Sirius Flying Regulator Manufacture)」も用意される。また、アラビア数字インデックスや大型のスモールセコンドなどが採用された「シリウス レギュレーター クラシックデイト(Sirius Regulator Classic Date)」は、今回の中では最もモダナイズされ、コレクションに新風を巻き起こす存在となっている。