2013年は"タンク・イヤー"として、新しいタンクコレクションを含む、多くの新作をSIHHでリリースしたカルティエ(Cartier)。2013年は幅広いラインに100モデルを超える新作を発表し、その独創性と技術力を遺憾なくアピールした。
たとえば高度な技術を集約した「オート オルロジュリー(HAUTE HORLOGERIE)」のコレクションでは、4つの新型ムーブメントを発表。これらはすべて自社開発・製造によるものだ。この中で際だっているのがミステリー ウォッチ。およそ100年前、ルイ・カルティエの時代に世界で初めて発表された宙に浮いた針で時刻を示すミステリー クロックをベースに、最先端の技術と斬新なアイデアを駆使して腕時計化した新作が登場した。
一方、ハイジュエリーのコレクションでは「レズール ファビュルーズ ドゥ カルティエ(Les Heures Fabuleuses de Cartier)」をテーマとして、ユニークピース(単品製作)23点を含む41点を発表し、腕時計がネックレスや指輪、ティアラなど、さまざまに形態を変化させる新機軸を打ち出した。
また伝統工芸技術と時計製造が融合した「カルティエ ダール(Cartier d'Art)」のコレクションでは、およそ紀元前3000年紀も前に生まれたとされる驚異の技法「グラニュレーション」を使った新作が登場し、その精緻な技法に驚嘆の声が上がった。
そして1967年に生まれた伝説のモデル「クラッシュ」の新作が登場。歪んだケースにフィットするミネラルガラスは手作業で製作され、カルティエのアバンギャルドさを今に伝える名品が見事に復活。カルティエならではの完璧な世界観を見せつけたのだ。