「究極の実用腕時計」を標榜するロレックス(ROLEX)のラインナップを、過去から現代まで振り返ると、その時計機能は極めて限定された範囲内に留まり、いたずらな多機能化は一切行っていないことがわかる。多機能時計といえるのはクロノグラフかカウントダウン機能付きレガッタ クロノグラフまで。いずれのモデルも現在では自社ムーブメントを搭載しており、前者では2000年発表の「コスモグラフ デイトナ(COSMOGRAPH DAYTONA)」(Cal.4130)、後者では2007年登場の「ヨットマスターII(YACHT-MASTER II)」(Cal.4160)としてラインナップを飾る。
2000年以降、精力的に推進してきた既存コレクションのリニューアルも、あくまでも精度・耐久性・視認性・操作性が中心。多少のケースサイズ・アップもあるが基本デザインを変えない実直さは、"誕生時すでに完成体"というロレックスの普遍性を自ら実証するものといえよう。