2012年も、エレガントな薄型ウォッチから高耐水機能を持つ先進ダイバーズ、超弩級のコンプリケーションに至るまで、幅広いジャンルで新作を発表したウブロ(HUBLOT)。この旺盛な新作開発の背景には、2009年10月に完成した本社マニュファクチュールの存在によるところが大きいだろう。
そこでは初の自社開発ムーブメントである「UNICO(ウニコ)」の製造はもちろん、マニュファクチュール内に設立された、「マスターピースコレクション」と呼ばれるグランド・コンプリケーション専門の時計職人を集結した特殊技能集団によって、次々に画期的な機能を持つ驚くべきコンプリケーション・ウォッチが生み出されている。
しかもウブロでは、このような時計機構の新規開発に留まらず、金属素材の開発にも大いなる熱意を持って取り組んでいる。
その成果が「キングゴールド」だ。これは従来、もっとも赤みの強い「5N」と呼ばれるレッドゴールドより、さらに赤い色調を特徴とし、長期間にわたって安定した発色を維持する新しい合金。そしてウブロは2012年、さらに新しい素材である「マジックゴールド」を発表した。これはウブロとEPFL(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)との長年に渡る研究の結果、純金と炭化ホウ素(セラミック)を融合させることで、ゴールドやセラミックの長所を残したまま、一般的なゴールドに比べて硬く傷つきにくい素材を実現したもの。元々は真っ黒な素材だが、研磨することによって独特なゴールド色に変化し、傷に強いことから"マジックゴールド"と命名されたと言う。この新素材はウブロとフェラーリのパートナーシップの結果として誕生した「ビッグ・バン フェラーリ マジックゴールド(Big Bang Ferrari Magic Gold)」などに採用されている。