すっかり時計メーカーとしての貫録がついてきたモンブラン(MONTBLANC)は、2011年も専業メーカーにも負けない濃厚なラインナップを用意してきた。
その主役となるのはクロノグラフ・コレクションである「モンブラン ニコラ リューセック(Montblanc Nicolas Rieussec)」。
コレクション名の由来となった、パリの時計師ニコラ リューセックが製作したクロノグラフの原型誕生190周年を記念し、アニバーサリーモデルを発表してきたのだ。
ニコラ リューセックの計時機器とは、回転ディスクとインクの入った指針を使って時刻を記録する“Time Writer”。競馬レースの計時のために1821年に考案され、翌1822年に特許が受理された。
モンブランではこの節目を記念したアニバーサリーモデルだけでなく、コレクション初となるブラックダイヤル・モデルも発表している。
マニュファクチュールとしてのモンブランの戦略も、いっそう熱を帯びてきた。
「ニコラ リューセック」用の特殊クロノグラフ・ムーブメントはCal.MB R110(手巻き)とCal.MB R200(自動巻き)の二種類。さらにモンブラン傘下の旧ミネルバ・マニュファクチュール社のエクスクルーシブ・ムーブメントも準備する陣容だったが、2011年は新たにクロノグラフ・ムーブメント、Cal. MB LL100がラインナップに追加された。
フライバック式クロノグラフにもかかわらず、インダイアル式の積算計を持たないのは、ほとんどが短い時間しか計らないというリサーチ結果から。センターからクロノグラフ秒針とクロノグラフ分針が出ており、これで十分に実用的なのだ。
また高級ラインの「コレクション ヴィルレ 1858(Collection Villeret 1858)」からも39oケースの小ぶりなクロノグラフ「ヴィンテージ パルソグラフ(Vintage Pulsograph)」が登場しており、“モンブラン=クロノグラフ”というイメージが徐々に浸透しつつある。
実際にクロノグラフ・モデルの売り上げは好調というから、戦略に誤差はないようだ。