バーゼル・ワールドはバーゼル市内の巨大ホールの中に、各メーカー(ブランド)が個々のブースを建て込み、その中で新作プレゼンテーションを行うスタイルだ。
ブースの位置や大きさは如実にブランド・パワーを示すもので、まれに行われるブースの入れ替わりを通して、目には見えなかった時計業界におけるパワーバランスの変化を読み取ることができる。
2010年のバーゼル・ワールドで驚いたのは、ティソ(TISSOT)のブースが巨大化していたこと。同社が属するスウォッチ グループは、会場中央に巨大なパビリオンを作っているのだが、2009年からティソのみが分離独立して、同ホール内に巨大なブースを構えることになった(もちろん、スウォッチ グループの一員であることは変わらない)。
これが意味するのは「世界的にティソが売れている」ということだ。
ティソといえば、ハイテク・ウォッチ「Tタッチ」を思い浮かべる人が多いだろう。さらに二輪レースの最高峰MOTOGPとのコラボレーションモデルも有名だ。しかし爆発的な人気かというと…日本からの展望では不思議に思える。
では何故なのか? 世界中の販売店が熱心に商談を行っているティソのブースの中でPR担当者に聞くと、答えは明確だった。
「ティソがターゲットにしている10万円以下の価格帯には、有力な日本メーカーが多く、日本でそのシェアを奪うことが難しいのです」
しかし時計を見ると、良質な機械式時計が10万円以下で手に入る。"メイド・イン・スイス"のブランド力を考えれば、世界のマーケットでは、これは破格と言えよう。
日本以外では爆発的な人気を誇るティソ。その勢いが日本に伝わる日は、それほど遠くはなさそうだ。
取材・文:篠田哲生 Report&Text:Tetsuo Shinoda
写真:堀内僚太郎(Storm) Photos:Ryotaro Horiuchi(Storm)
※表記は2010年7月現在のものになります。
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