現在はスイスのスウォッチ グループに所属しているハミルトン(HAMILTON)だが、そのルーツは1892年のアメリカにある。高精度鉄道時計で名をはせた後は、アメリカ軍の軍用時計として多くの兵士の腕に巻かれた歴史あるブランドだ。
伝統を重んじるスイス時計産業とは異なり、アメリカの時計産業はもっと柔軟な考え方を持っていた。1957年に生まれた世界初の電池式腕時計「ベンチュラ(Ventura)」や、1970年誕生の世界初のLED式デジタル腕時計「パルサー(Pulsar)」はその証左であろう。大胆な発想と、当時のアメリカの空気をはらんだデザインは、今もなお時計界の金字塔として高い評価を集めている。
昨今の時計界では自社の歴史にスポットを当てることで正統なブランドであることをアピールする動きが盛んだ。当然ハミルトンも過去の傑作を復刻させたり、現代風にアレンジしたりすることで、過去と現在を繋いでいる。
2010年のバーゼル・ワールドにて発表されたハミルトンの新作たちの中でも、一番の話題は、傑作パルサーの後継機となる「パルソマティック(Pulsomatic)」だ。10数年前に突如リバイバルブームが起こり、中古やデッドストック・モデルが高騰した事を記憶している30代中盤のユーザーであれば、"憧れたけど買えなかった"という積年の思いを晴らす良いチャンスとなるだろう。
また軍用時計のDNAを受け継ぐ「カーキ パイオニア メカ(Khaki Pioneer Mechanical)」にも注目したい。ヴィンテージ加工を施し、くたっとしたニュアンスになったレザー製ストラップ&ケース・ガードで、ファッション・アイテムとハミルトンの歴史を上手にミックスしている。しかも価格は84,000円というから驚きだ。
"原点回帰"を掲げるメーカーは少なくないが、現代のファッションにフィットするように仕上げてくる例は少ない。ハミルトン、恐るべしである。
取材・文:篠田哲生 Report&Text:Tetsuo Shinoda
写真:堀内僚太郎(Storm) Photos:Ryotaro Horiuchi(Storm)
※表記は2010年7月現在のものになります。
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