2009年は、東京をはじめ世界各地で新作発表をおこなったリシャール・ミル(Richard Mille)。
「時計のF1」のコンセプトのもと、機能・ルックスともに先端的な時計を創造する同社は、これまではリシャール・ミル独特のデフォルメが施されたトノー型、レクタンギュラー型モデルを中心にラインナップしていたが、今年は初のラウンド型モデル「RM025 トゥールビヨン・クロノグラフ・ダイバーズ」を発表。18KPGのラグと、チタン製の複数のパーツにより構成された有機的なラウンドフォルムで、50.8mm大型ケースが最強のインパクトを放つモデルだ。
そしてリシャール・ミル定番のトノー型には、アシンメトリーにデザインされた、ローマ数字インデックスが華やかな「RM023」が登場。従来のコレクションに比べて、ひときわ落ち着いた印象であり、リシャール・ミル流の「ネオ・クラシック」といった趣を漂わせる。
また女性向けのラグジュアリーウォッチも、同社にかかれば神秘的に。「RM019 ケルトノット・トゥールビヨン」は、紀元5世紀のケルト文明を代表するケルトノット模様を、トゥールビヨンのブリッジに絡ませるようにデザインし、その上にダイヤモンドをあしらった豪奢なモデルだ。
コンセプターであるリシャール・ミル氏の斬新な発想を具現化する、最高のサプライヤーに恵まれる同社。先進性を尊ぶラジカルなウォッチメイキングは、年々加速度を増しているようだ。
RM025 Tourbillon Chronograph Divers
モデル名: RM025 トゥールビヨン・クロノグラフ・ダイバーズ
Ref: RM025
ケース径: 50.7mm
ケース厚み: 19.2 mm
ケース素材: チタン+18KPG
防水性: 300m防水
ストラップ: ラバー
ムーブメント: 手巻き ルノー・エ・パピ製Cal.RM025、毎時21,600振動、約70時間パワーリザーブ
仕様: トゥールビヨン、クロノグラフ、ファンクションセレクター
予価: 52,500,000円(税込)
発売予定: 2009年
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リシャール・ミル初のラウンドモデルにして、初のダイバーズとなる「RM025 トゥールビヨン・クロノグラフ・ダイバーズ」誕生。もとより同社は、ショックアブソーバーを標準装備した<落としても壊れないトゥールビヨン>を提唱してきたが、今度は<海に潜れるトゥールビヨン>である。無論、従来の意匠を踏襲しなかったのには理由があり、ダイバーズウォッチのISO規格である300m防水を実現するためには、ラウンド型にすることが不可欠だったという。3重構造のケースはトルクネジが採用されており、水圧がかかるとケースの外周が均等な圧力で完全に密閉されるため、長時間にわたり高い防水性を確保。ムーブメントも一から開発され、チタン製の部品を採用するなど、随所にエネルギーロスを軽減する工夫が。構想から5年を要した、恐るべき力作である。
文:越知絵里香 写真:三吉野克樹
※表記は2009年8月現在のものになります。
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