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Watch Person Interview vol.67  オーデマ ピゲ 歴史研究家 マイケル・L.フリードマン インタビュー

スイス時計史の謎を解き明かす
“歴史研究家”の活動

私は時計を単なる製品や機械ではなく、文化的なものとして捕らえています

「私は時計を単なる製品や機械ではなく、文化的なものとして捕らえています。技術や美的な創作だけでなく、その背景にある人間性や物語を投影したものであり、そういった作品を探しています。そして、そのような作品が、どのような決断がなされて作られたのか、どこまで人の手がかかっているのか、ということが知りたいのです」

  2015年10月の本誌で“オーデマ ピゲの歴史研究家”としてその仕事ぶりを紹介したマイケル・L.フリードマン氏が先頃、再び来日。早速、東京・銀座のオーデマ ピゲ・ブティックを訪ね、話を伺った。


  今回の来日の目的は?


「皆さんのようなプレスの方々やお取扱い店の方とミーティングをすることが主な目的です。同時にオーデマ ピゲにおけるパーペチュアルカレンダーの歴史を紹介し、未来に続く歴史をさらに掘り下げるためにやってきました。

  オーデマ ピゲにとって歴史とは、過去であると同時に今日も明日も歴史のひとつであり、常に生きているものです。ですから私の仕事は、古い時計との関わりを通じて未来の時計と対話していくことだと認識しています。

  今回、特にパーペチュアルカレンダーの歴史についてお話しすることにした第一の理由は、最近、カレンダーウォッチに関する本を出版したこと。第二の理由は、カレンダーウォッチの開発が非常に進展しており、これがオーデマ ピゲにとって大切な機構だからです」


  フリードマン氏が言う通り、確かにパーペチュアルカレンダーはオーデマ ピゲにとって重要なメカニズムであり、過去には傑作が数多く存在する。一般には、それが作られたのが1920~60年代と考えられている。


「たしかにこの時代(1920~60年代)、腕時計の技術は発展しましたが、パーペチュアルカレンダーを搭載する腕時計が作られた期間は、それほど長くはありませんでした。

  たとえば世界初のパーペチュアルカレンダー腕時計は、1955年にオーデマ ピゲが作った閏年付きのモデルでした。そして、最新のロイヤル オークのパーペチュアルカレンダーは、1978年に作られたキャリバーがベースです。つまり1970年代に複雑機構を搭載した時計がリバイバルしたのですが、私はそれ以前の歴史を掘り下げたいと考えています。というのも1920~60年代にかけて、オーデマ ピゲが製造したカレンダー時計は、わずか208本。しかも、すべてが一点ものでした」


  フリードマン氏によれば、この調査を進める段階で、あまり知られていない事実を知り、驚くことが多かったという。


「最近わかった新事実では、1930~70年代までに作られたクロノグラフは全部で307本あり、それらもすべて一点ものだったことがあります。


  この時代、オーデマ ピゲは188本のカレンダー時計と、307本のクロノグラフ、35本のミニッツリピーター、20本のクロノグラフ・フルカレンダーを製作しました。


  つまり70年代までに作られたコンプリケーション腕時計は、550本だけだったのです。これも驚かされた発見ですね。


  ところが78年から状況が変わりました。パーペチュアルカレンダーを発表し、コンプリケーション腕時計の新時代が到来したのです。これがヴィンテージとは違う時代の始まりでした。もちろん現在も、その数は少なく、非常に限られていますが」

  • ロイヤル オーク・パーペチュアルカレンダー
  • ROYAL OAK PERPETUAL CALENDAR
    ロイヤル オーク・パーペチュアルカレンダー


    ブラックのファイン・セラミックスの塊から削り出したケースおよびブレスレットを採用する精悍なパーペチュアルカレンダー。セラミックスはステンレススティールに比べて5倍もの手間がかかるが、軽量で傷つきにくく、経年劣化もなく、いつまでも美しさを保つ。ムーンフェイズ・インジケーターの夜空は天然石アベンチュリンを用い、月面の姿を写したリアルな月が浮かび上がる。


    Ref.:26579CE.OO.1225CE.01
    ケース径:41.0mm
    ケース素材:ブラックセラミック
    防水性:20m
    ストラップ:ブラックセラミック製ブレスレット
    ムーブメント:自動巻き、Cal.5134、約40時間パワーリザーブ、38石、永久カレンダー、ムーンフェイズ
    仕様:シースルーバック、ブティック限定モデル
    価格:9,300,000円(税抜)

  • ジュール オーデマ グランド コンプリカシオン
  • JULES AUDEMARS GRANDE COMPLICATION
    ジュール オーデマ グランド コンプリカシオン


    パーペチュアルカレンダー、スプリットセコンド・クロノグラフ、ミニッツリピーターという複雑機構を搭載するグランド コンプリケーション(超複雑時計)。ケースのスタイルは伝統的なラウンド型だが、自社開発・製造による自動巻きムーブメントを搭載し、サファイアガラスのダイアルを採用することで、その下にある複雑なメカニズムを目の当たりにすることができる。


    Ref.:25996TI.OO.D002CR.02
    ケース径:42.0mm
    ケース素材:チタン
    防水性:非防水
    ストラップ:アリゲーター
    ムーブメント:自動巻き、Cal.2885、約45時間パワーリザーブ、52石、ミニッツリピーター、パーペチュアルカレンダー、スプリットセコンド・クロノグラフ、ムーンフェイズ
    仕様:シースルーバック
    価格:時価

オーデマ ピゲの過去・現在・未来を貫く
時計作りの哲学

高級機械式時計は20年たっても基本的には変わりませんし、永続性を持つ希有な製品ですからね

「20~30歳代の顧客にも響くブランドとして成功を収めている理由は、マスプロダクトに囲まれて育った人は、逆に現在、アナログな製品や手仕事に興味を持つのではないでしょうか? なにしろコンピュータのようなエレクトロニクスを利用した製品は2年でまったく変わってしまいますし、どんどん使い捨てでアップグレードされ、淘汰されていきますが、高級機械式時計は20年たっても基本的には変わりませんし、永続性を持つ希有な製品ですからね」

  “1920~60年代以前の歴史を掘り下げたい”というフリードマン氏。その対象は、もちろんパーペチュアルカレンダーだけではない。


「オーデマ ピゲには古典的な3つのコンプリケーションがあります。それがパーペチュアルカレンダー、リピーター、クロノグラフです。現在のオーデマ ピゲは、それぞれの機構を基盤としてソヌリを開発し、次に新しいパーペチュアルカレンダーを開発するなど、順次、開発を進めています。同時に機能だけでなく美しさも追求すべく、新たな開発に挑み続けているのです。

  つまり複雑時計とは“ミラー・オブ・パスト(過去をうつす鏡)”。そこには過去から現在、そして未来に継承される哲学があります。

  現在のオーデマ ピゲのアーカイブ(ミュージアム所蔵の歴史的な傑作)の70%は古典的なコンプリケーションです。特に創業初期の製品には、必ずひとつ以上の複雑機構が搭載されています。

  オーデマ ピゲがグランドコンプリケーション(超複雑時計)を製造したのは1882年が最初です。それ以前からあったのかもしれませんが、記録に残るのは1882年以降です。当時、社内には複雑時計の専門工房があり、すべての機構を搭載した時計は、この工房で作られました。

  ちなみに現在のグランドコンプリケーション工房には8名の時計師が在籍し、ブランドとしてトップグレードの製品を作っています。そして、この工房では、ひとりの時計師が、ひとつの超複雑時計を、責任を持って最初から最後まで作っています。

  つまりコンプリケーションとはオーデマ ピゲの遺伝子のようなものですが、これは単に我々だけでなく、ジュウ渓谷に継承されるものでもあります。我々はこの遺伝子を大切にしていますが、それは同時にジュウ渓谷でも大切なものなのです」


取材・文:名畑政治 / Report&Text:Masaharu Nabata
写真:堀内僚太郎 / Photos:Ryotaro Horiuchi


Audemars Piguet(オーデマ ピゲ) についてのお問合せは……
オーデマ ピゲ ジャパン株式会社                 
〒104-0061 東京都中央区銀座 6-5-13
TEL: 03-6830-0000
>>オーデマ ピゲ(Audemars Piguet) 公式サイトはこちら
>>オーデマ ピゲ(Audemars Piguet) のGressive掲載ショップはこちら

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