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Watch Person Interview vol.64  クロノスイス 最高経営責任者 オリバー・エブシュタイン インタビュー

少数精鋭、伝統技法の継承に励行する
2013年完成のルツェルン新工房

「シリウス フライング・グランドレギュレーター スケルトン リミテッドエディション」のシースルー・ケースバック

「シリウス フライング・グランドレギュレーター スケルトン リミテッドエディション」のシースルー・ケースバック。車のホイールに見立てた香箱車や、大胆に削ぎ落とされたブリッジ等でモダンさを表現。ケース径いっぱいに広がるムーブメントの存在感は大きい。

  このようにモダン解釈のスケルトン・モデルを発表したクロノスイスだが、製造を担当するのが2013年に完成したルツェルンの工房。ここではスケルトンのほか、ギョーシェやエナメル、さらにミニアチュールまでも手掛ける。この態勢作りの結果、伝統技法の継承のみならず、ビスポークモデルまで製作の幅が広がった。


「元々は特別な時計を求める顧客の要望に応えたものです。自動車業界では(カラーリングや内装など)ビスポークを行っているのに、時計にできないことはないですから。

  使用する技法は、エナメルやカーボンダイアル、ギョーシェ、ミニアチュールなどがありますが、基本的にどのようなオーダーにも対応できます。家紋などのご要望にもお応えできますが、時間がかかることが許されるのなら、まったく新しいプロジェクトとして始動することも可能です」


  前述したように、このようなビスポーク並びにプロトタイプは外注ではなく、すべてルツェルンの工房内でインハウスとして行われている。ではその規模を聞いてみた。


「ビスポーク担当は4人、スケルトン担当者はひとりです。スケルトン加工は、ハンドメイドでインハウス製造し、次の工程はマシンメイド、そして最後のポリッシュは再び手作業になります。また一般の時計製造には多くのパートナーと協力関係を築いていますが、キイパートナーは5~7社です」


  現在の本社・工房をルツェルンに構えるクロノスイスだが、以前より気になっていたのが、2007年10月に世界のメディアに向けてオープニング・イベントを行った、ミュンヘン郊外に設立された施設。真上から眺めるとレギュレーターの形に設計され、まさにクロノスイスを体現する建物だったが、これは現在どのような運営をされているのか?


「残念ですがこれは売却して、すべての機能をルツェルンに移しました。現在ではミュンヘンに小さなロジスティック・オフィスを構え、5人の担当者が常駐しています」


  さらに昔の話になるが、時計師、時計研究家でありコレクターでもある創業者のゲルト・R.ラング氏には、膨大な量のクロノグラフの所蔵品があり、その一部はミュンヘン郊外の本社工房にも展示されていた。この所蔵品の現在を尋ねると「半数は売却し、半数は所有している」とのこと。


  若干残念さも感じるが、できればラング氏から借り受けてルツェルンの本社にもテーマ別の展示を行うことを希望したい。ルツェルンの本社工房は一般客にも開放されているとのことなので、クロノスイスの理解をより深めるためにも、重要な展示になることは間違いない。


  最後に、このことをエブシュタイン氏に伝えると彼も賛同してくれた様子。現在のコレクションでモダン・クロノスイスを知り、ルツェルンでその活動状況を見学しつつヴィンテージ・モデルの歴史を学ぶことができるのは、クロノスイスのDNAを知る上で時計愛好家にとって絶好の機会になる。グレッシブでも近い将来、ルツェルンへの取材を実現したいが、世界中の熱心な愛好家も当地を訪れ、いつかはこの地がクロノスイスのみならず、新しい時計の聖地と発展することを願って止まない。

取材・文:田中克幸 / Report&Text:Katsuyuki Tanaka
写真:江藤義典 / Photos:Yoshinori Eto


クロノスイス(CHRONOSWISS) についてのお問合せは……
栄光時計株式会社
〒110-0016 東京都台東区台東4-19-17
TEL:03-3837-0783

>>クロノスイス(CHRONOSWISS)公式サイトはこちら

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