FRANCK MULLER複雑時計の製作で注目された 若き天才時計師フランク ミュラー
複雑時計の製作で注目された
若き天才時計師フランク ミュラー
ストック・ムーブメントを用いてフランク ミュラーが製作した初期のワンプッシュ・クロノグラフ。文字盤の“FRANCK GENEVE”という表記が初期モデルの証。
1980年代の初頭まで、少なくとも我が国においては、独立時計師はほとんど知られていない存在だった。
ここで言う独立時計師とは、企業に所属せず、あくまでも独立した立場で時計の開発や製作をすすめる時計師のこと。このような時計師は、昔から存在し、今では有名になった時計メーカーやブランドも、元を辿れば有能な時計師の個人的な工房からスタートしたものが多い。
とはいえ、すべての独立時計師がブランドを掲げて大メーカーへと発展したわけではなく、スイスには伝統的にメーカーからの依頼を受けて新製品の開発や、少量生産の特別モデルの製造を請け負う独立時計師が連綿として活動を続けてきたのである。
この状況に風穴を開け、独立時計師を時計界のシンボルとして、その存在が注目されるきっかけを作ったのが、他ならぬフランク ミュラーである。
フランク ミュラーは、1958年にスイスのラ・ショー・ド・フォン生まれ。1975年にジュネーブ時計学校に入学し、優秀な成績で卒業するが、大メーカーからの誘いを蹴って、ジュネーブに工房を構えるデンマーク出身の独立時計師スヴェン・アンデルセンの工房で働きながら独自の時計製作を開始する。
その後、1980年代の半ばに独立し自分の工房を構えるが、この頃から“スイス・ジュネーブに若き天才時計師現る！”と言われはじめ、我が国では1986年発行の「モノ・マガジン別冊 Time Tool」（ワールドフォトプレス社）で、わずか半ページのモノクロの記事が初めての紹介となった。
そして6年後の1992年、フランク ミュラーは東京・青山にオンリー・ブティックを開店。実はこのブティックこそ、世界初のフランク ミュラー・ブティックなのである。
取材・文：名畑政治 / Report&Text：Masaharu Nabata
写真：江藤義典 / Photos：Yoshinori Eto(25周年記念インタビューを除く)
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フランク ミュラー ウォッチランド東京
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TEL:03-3549-1949
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