SUUNTO ESSENTIAL CERAMIC COLLECTION 　CERAMIC セラミック。魔法のマテリアル。

　ここ数年で、時計業界の人気素材となったセラミック。セラミックという言葉を辞書で引くと“陶磁器類”という説明があるように、この言葉は焼き物全般を指している言葉であって、時計のマテリアルとして使用されるのは、正確には「ファインセラミックス」である。

　絶縁性、半導体性、生体親和性に優れており、非常に硬いため、工業製品にも多く使用されており、レーシングカーのブレーキディスクや飛行機のジェットエンジンにも使用される、非常に強靭な素材である。

　しかも主原料となる酸化ジルコニウムに、別素材を混ぜることで様々な色を作ることができる上に、丁寧にポリッシングすれば金属のような光沢感を生まれるという特性もある。

　高性能で傷がつかず、様々な色と光沢感を作り出すことができる「ファインセラミックス」が、時計業界のトレンド素材となったのは当然だ。

　しかし「ファインセラミックス」は、製造が非常に難しい。酸化ジルコニウムを溶解し、型に入れて成形してから焼結するのだが、その際に30％程度収縮することで、高密度で硬質な組織が生まれる。ただし均等に収縮させるためには高い技術が必要となるので、高級時計を中心に使用される特別な素材だった。

　それをスントでは、スポーツウォッチに使用した。「スントエッセンシャルセラミックコレクション」は、フィンランドの本社工場にて、一台一台手作業で組み立てられたプレミアムウォッチ。格調の高いルックスにファインセラミックス製の美しいベゼルを組み合わせるのだが、平坦でゆがみのない真円のべゼルを制作するのはかなり難易度が高く、スントのプロダクトレベルの高さを証明している。　

>FUNCTION 時計の価値を高める機能美。

【1】ベゼルと同系色でまとめたベルトループ。ディテールまで手を抜かない姿勢にも、好感が持てる。
【2】腕への装着感を高めるために、本体とストラップをつなぐラグ部分は可動式になっている。
【3】ステンレススティールの表面にDLCという硬化処理を施し、精悍なルックスを作り上げる。
【4】風防の素材はダイヤモンドに次ぐ硬さを持ち、高級時計に使用されるサファイアクリスタル。