暖色・寒色という言葉があるが、これは色から感じる暖かさや冷たさのことであり、
実際に肌で触れていなくても色が感覚に訴え掛けてくる。
このような色が与える心理的影響は、文化や芸術、デザインと深い関係にある。
例えば、赤い色を見ると人は興奮を感じ、ブラックはその逆にクールダウンさせるし、
ブラックは収縮色のため、ぐっと締まって見える効果もあるので、
10キロの羽毛と10キロの鉄塊では、鉄塊の方が重そうに見えるだろう。
ブラックのプロダクト製品たちは、このような色彩心理を上手に利用しているのだ。
そもそもブラックとは“闇”や“夜”を象徴する色で、恐れや畏敬の対象でもあった。
しかし深く美しい黒色を染色する技術が生まれ、ブラックは次第に高級イメージに変化する。
そのターニングポイントは日本では平安時代、欧州では14世紀頃だといわれている。
日本の工芸界において漆黒といえば最高級の色であり、ファッションにおいてはクールさの象徴だ。
つまり、高級プロダクト製品の多くがブラックを基調とするのは、流行とは関係なく、
製品のコンセプトを最も的確に表現し、しかもユーザーの心理に的確に訴えかける色だからである。
もしもあなたの身の回りにブラックのプロダクトが溢れているのなら、
それは意識的に“高級なモノ”“高品質なモノ”“クールなモノ”を選択している証明なのだ。
