スイス屈指の老舗で、卓越した時計製造技術を誇るジラール・ペルゴ。自社一貫生産制を敷きながら、他の高級時計メーカーにもムーブメントを供給しており、業界内でも品質・精度ともに信頼性が高い。
無類の車好きで知られるイタリア人のルイジ・マカルーソが1992年に社長に就任した2年後からは、イタリアを代表する自動車メーカー、フェラーリとのコラボレーションウォッチを10年間にわたって展開するなど、自動車業界やモータースポーツの分野と深い関係を結ぶようになる。1999年には、F1のレースカーのエンジンに使用されているチタンをケース素材として採用した「F1-048」や、同じくアルミニウムを使用した「F1-047」を発表。ジラール・ペルゴの時計づくりは、最高技術を投入して開発されるレーシングカーから大いにインスピレーションを得ていることがうかがえる。
また、2004年発表のスポーツクラシック・ラインである「R&D01 クロノグラフ」は、クロノグラフのプッシュボタンがケースの左側に配置されており、レーシングドライバーが操作しやすいように配慮されたモデルだ。ケース右側にはレーシングカーの吸気口からヒントを得た、独特の丸みを帯びたフォルムのリューズガードを配し、レース中ハンドルを握る手首の邪魔にならないように4時位置に設計されたリューズを保護する役割を果たす。また外見上も、ケース裏蓋をレーシングカーを彷彿させる六角形のボルト6本で固定するなど、モータースポーツは、デザイン・機能の両面で、常にジラール・ペルゴのクリエイティビティを刺激してやまない。
長期にわたって、自動車業界やモータースポーツを個性的な方法で支援してきたジラール・ペルゴは、2005年にモンテカルロ・ヒストリックラリーのメインスポンサーとなり、パートナーシップ契約を交わすに至った。
1911年から今日までモナコのステージで戦いが繰り広げられているこの冬季大会は、その歴史の長さから何世代にも及ぶファンを持つほど人気が高く、フランスのアルプスとコートダジュールを結ぶ厳しいコースを勝ち抜いたドライバーたちの姿が、見るものに深い感動を与える。
ジラール・ペルゴは、このレースで演じられる陸上の死闘を称えて、レーシングクロノグラフモデルを毎年数量限定で創出しているのだ。
※クリックすると詳細をご覧になれます
"MONTE-CARLO 1965"
モデル名: "モンテカルロ 1965"
Ref:49460
ケース径:38mm
ケース厚み:12.30mm
ケース素材:ステンレススチール
防水性:3気圧防水
ストラップ:カーフスキンストラップ
ムーブメント:自動巻 GP033C0、毎時28,800振動、約46時間パワーリザーブ、63石
仕様:デイト表示、クロノグラフ(クロノグラフ秒針、30分計、12時間計)、スモールセコンド、無反射コーティング・サファイアクリスタル、7本ネジケースバック、ケー
スバックに1965年のモンテカルロ・ヒストリックラリーの優勝車名と優勝者の名前を打刻、世界限定250本
価格:1,071,000円(税込)
こちらの「モンテカルロ 1965」という時計について述べる前に、このモデルの由縁となっている、1965年に開催された第34回モンテカルロ・ヒストリックラリーにまつわるエピソードを記しておきたい。
困難なコースを走ることで知られ、ただでさえ過酷を強いられるこのラリーだが、同年は特に天候に恵まれず、吹雪で完全に視界が閉ざされるという、想像を絶するような厳しい状況が待ち構えていた。その過酷さは、出場者の89%がリタイアしたという事実からもうかがい知れる。
そんな厳しい試練を乗り越えて、見事に優勝を飾ったのが当時28歳のティモ・マッキネンというフィンランド人の青年であった。そして、同乗ナビゲーターのポール・イースターの助けを得ながら、驚くべき走りによって栄光を勝ち取った優勝車は、90馬力で車重600kgの小型の英国車、ミニクーパー1300S No.52だったのである。
その苛烈を極めたレースを称賛して、ジラール・ペルゴが製造したこちらのモデルは、あの愛らしい小型の優勝車を想起させるような、38mmという小ぶりケースにクラシックな雰囲気を漂わせたタイムピース。1950〜60年代のオールドウォッチを感じさせる懐かしいデザインだが、単なる過去のレプリカではなく、それが最新の技術を用いながら巧みに演出されたものだということが、仔細に見ていくとわかる。内製でつくられたケース(アトリエ・ボット製造)は昨今のトレンドとは真逆の繊細なカーブを描き、古典的なイメージに仕上げられた。クロノグラフのプッシュピースはレトロな丸型のものを採用しているが、中に内蔵されているのはジラール・ペルゴ社開発による自動巻クロノグラフキャリバーであり、品質や精度は申し分のない最新鋭のものが投入されている。
また、何気なくこの時計の印象を左右している要素として、側面から見たときにベゼルからせり出した、厚みのあるサファイアクリスタル風防が挙げられる。60年代〜70年代のアンティークウォッチに見られるような、丸みを帯びた高さのあるプラスチック製の風防の雰囲気を、硬質な素材であるサファイアクリスタルで再現するには高度の技術を必要とするが、このモデルはボックスカットによりカーブした球面を見事に表現した。ほかにも、文字盤と高低差をつけたインナーサークルや、研磨によって面取りされた植字インデックスなど、丁寧なつくり込みが細部にまでわたっている。そして鮮やかな朱色に塗られたクロノグラフ針が効果的に、全体を引き締めるアクセントとなった。
1965年モデルの記念として文字盤には赤字で“MONTE-CARLO 1965”と印字され、ケースバックには偉大なる優勝者とナンバープレート、そしてミニクーパー1300S no52の車名が誇らしげに刻印された。ジラール・ペルゴが自動車業界やモータースポーツに寄せる情熱や憧憬までもが、この1本には凝縮されているのではないだろうか。
※クリックすると詳細をご覧になれます
