アノーニモは、かつてフェラガモのマーケティングディレクターを務めていた、フェデリコ・マッサチェージによって設立された時計ブランドである。数多くの芸術家や職人たちを擁する芸術の都、イタリア・フィレンツェで「世界に通用するイタリアメイドの機械式時計」をつくり出すことに見果てぬ夢を見たマッサチェージが、1997年にイタリア語で“匿名”や“無名”を意味する名称の機械式時計ブランドをスタートしたのが始まりであった。 
 
  2004年からは、アノーニモは開発顧問に、ある人物を迎えた。かつてイタリア海軍の長官を務め、退官後はその豊富な経験を頼りに軍用機器メーカーの経営陣として活躍し、同時に世界的にも著名なイタリア海軍時計メーカーの開発に携わった重鎮、ディノ・ゼイ博士である。ディノ・ゼイ博士は、元イタリア軍サンマルコ部隊に従事したフランコ・ザバッターロ氏の協力を仰ぎながら、現在のアノーニモの、イタリア海軍のスピリッツを継承したウォッチメイキングの礎を構築していった。

 硬骨かつ無頼な、ミリタリーテイスト漂う外観に加え、プロユースに適うハイスペック仕様を追求したモデルが、アノーニモが展開するラインナップのほとんどを占めることも特筆すべき点だろう。アノーニモは製品の開発段階において、専門機関の立会いのもと、あらゆる耐久テストを繰り返して、こうしたハイスペックを実現させている。
  特にアノーニモはイタリア海軍用の腕時計に範を取っていることもあり、本格的なダイバーズウォッチの開発はブランドの枢要を成す取り組みとなっている。例を挙げれば、2001年にイタリアダイバーズ協会(CNS)監督のもと、東シナ海で経験豊富なダイバーズチームが実際に着用して深海に潜り、200気圧防水のスペックを実証した「プロフェッショナーレ」や、2002年にイタリア火山研究所のチームが検証した、シチリア沖の2105mでのテストをクリアしたスペシャルエディションモデルなどがある。 アノーニモのダイバーズウォッチの高品質は、プロフェッショナルたち折り紙つきなのだ。

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POLLUCE DRASS
モデル名:ポッルーチェ ドラス
Ref:No.2003
ケース径:42mm
ケース厚み:14.8mm
ケース素材:ステンレススチール(ドラス加工)
防水性:1200m
ストラップ:カーフストラップ(コディアック加工)
ムーブメント:自動巻Cal. ANONIMO 01.0、毎時28,800振動、約40時間パワーリザーブ、21石
仕様:デイト表示、ねじ込み式リューズ、夜光インデックス・針、無反射コーティング・ドーム型サファイヤクリスタル風防、自動ヘリウムガスバルブ
世界限定300本
価格:546,000円(税込)
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  こちらで紹介するのは、アノーニモの「ポッルーチェ」というモデルの2008年最新ヴァージョン。1841年に沈没した同名の蒸気船を、2006年に、海洋調査会社マリンコンサルティングとイタリアダイバーズ協会(CNS)とが共同でサルベージしたことを称えて誕生した時計であり、文字盤の下半分には、両社のロゴマークと「Polluce」の名が、並んで記されている。前述の通りアノーニモのダイバーズウォッチは、イタリアダイバーズ協会(CNS)が耐水性のテストを監修。もちろん当該モデルの1200m防水というハイスペックも、同協会によって実証済みだ。
  アノーニモウォッチにしばしば採用されている、ケース側面の4時位置のリューズは、潜水中、ウェットスーツ着用時にも引っかからないように、と計算されたポジションである。また、2時位置には自動式のヘリウムエスケープバルブが備わっており、深海から地上に浮上して減圧する際にケースの中に溜まったヘリウムが膨張し、風防を圧迫して時計を破損させるのを防ぐ役割を担う。

  実はこの「ポッルーチェ」、アノーニモがパテントを取得する技術がいくつか採用されたモデルでもある。そのひとつがストラップ。外見上、通常のカーフ(牛革)製とほとんど違いがないように見えるが、アノーニモ独自の「コディアック加工」という松脂を使用した、特殊ななめしによる防水加工が施されているため、このまま水に浸かったり、泳いだりすることができる画期的なストラップなのだ。染み込もうとする水分がすぐに発散するため腐食しにくく、海中で繰り返し使用してもダメージを受けにくい。アノーニモはほとんどのダイバーズモデルにラバーストラップではなく、このコディアックカーフを合わせており、ファッション的な要素も妥協しない、洒落者のイタリア人気質を感じさせる。
 
  さらにもうひとつ、ガンメタリックな輝きのケースに施された加工技術にも秘密がある。従来のモデルはステンレスケースに成膜し、腐食と反射を防ぐ「OX-pro加工」を採用していたが、その発展版である「ドラス加工」が今作から採用された。アノーニモがイタリアの潜水会社ドラス・ガレアッツィと共同して開発した「ドラス加工」はチタンのような絶妙なグレーカラーが独特の風合いを出し、耐傷性・耐腐食性などの強化が図られている。
  まさにスイス製とは一味違ったテイストが楽しめ、デザインと品質の両面で、非常に見所の多い時計といえるだろう。



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